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インシュアテック(InsurTech)

2017年07月

インシュアテックとは、保険(Insurance)×テクノロジー(Technology)を掛け合わせた造語で、経済産業省が2017年5月に公開した「FinTech ビジョン(※)」では、「保険分野における FinTech」と定義されています。テクノロジーを活用した新たな保険商品の開発や、募集/契約/引受/査定等の従来業務プロセスの変革等、イノベーションが特に海外で活発化しています。今回は、この「インシュアテック」を取り上げます。

※2017年5月8日掲載 http://www.meti.go.jp/press/2017/05/20170508001/20170508001.html

新たな保険商品の開発

センサーやウェアラブル端末、スマホアプリ、SNS等のテクノロジーを活用することで、保険料を個々人に合わせて最適化したり、ニッチな保障ニーズに適合した保険商品を提供することが可能になっています。

一つの例がテレマティクス保険です。自動車保険の一種ですが、運転者の運転の特徴等から、リスクに応じた保険料が算定される仕組みです。具体的には、自動車内に設置された専用機器やスマホアプリを通じて収集された走行距離や運転速度、急ブレーキ等の運転情報を分析することでリスクが査定され、安全運転をする人には保険料割引等の恩恵が受けられるようになっています。他にもウェアラブル端末で得た健康増進活動データに応じキャッシュバックを行う医療保険や、防犯や防災に寄与するセンサー類を設置すれば保険料を割引くスマートホーム保険など、テクノロジーを活用して、発現リスクを精緻に分析し保険料を最適化(パーソナライズ)した保険商品が登場しています。

また、スマホやSNSの普及により、ニッチな保障ニーズに適合する商品を提供することも可能になってきています。その例の一つがP2P保険です。P2P保険とは、加入者がインターネット上で友人や知人等から構成される少人数のグループ(コミュニティ)をつくり、グループ内でニッチな保障ニーズに対して、掛け金を拠出し、リスクに備える保険商品です。

加入者が支払う保険料の一部が請求時の保険金財源となるため、請求の発生事象自体を減らすことで掛け金の低減を目指すインセンティブが働きやすい仕組みとなっています(※)。その他にも、1日や1時間単位など、必要時/必要範囲に限定した保障を受けられる、自分の所有物を対象とした一種の家財保険や自動車保険に、スマホアプリからわずか数分で手軽に加入できる商品やサービスも登場しています。

※プールを越える請求が発生した場合は、P2P保険の提供会社が加入している再保険で賄われます。

販売・引受・保全・支払などの保険業務フローのイノベーション

保険商品開発だけではなく、保険の販売・引受・保全・支払等、業務分野でのイノベーションも進んでいます。

例えば、保険販売代理店や仲介業者が提供するオンラインの保険比較サービスは日本にも存在しますが、海外では保障条件等での検索・一覧表示だけでなく、顧客との画面を通じたやりとりの結果、おすすめの保険商品を提示するロボアドバイザーも登場しています。また、現在加入している保険契約を一元管理し、保障状況を可視化することで見直し需要を喚起するアプリ等、従来の保険契約者(候補)との接点を変える保険販売自体のイノベーションも進んでいます。

これまで面倒な書類のやり取りが発生していた各種請求手続きも、デジタル化(スマホやインターネット)され、手続きに関する照会等にチャットボットが24時間いつでも対応してくれる等、時間や場所の制約なく、デジタルで簡単に完結できるようになりました。この結果、企業側でも、オペレーターや査定者の業務負荷を軽減する等、顧客の利便性向上と業務効率化の両立が実現されています。この他、AIやRPA(Robotic Process Automation)、手書き文字認識技術等の活用による、契約手続きや引受査定業務等の業務プロセス改革の事例も増えてきています。


インシュアテックには、ベンチャー企業が提供するサービスのほかに、大手の保険会社がデジタル技術を活用して開始した新たな保険サービスも含まれます。インシュアテックを活用し、新たなビジネスを創造していくには、ビジネスの各局面で顧客が求める価値に注目し、既存の保険サービスのイノベーションをスピーディに実行する企業の姿勢も問われてきます。

NRIの取り組み

NRIでは、インシュアテックに関しての調査・研究とともにソリューション開発を行っております。詳しくは各営業担当にお問い合わせください。

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