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RegTech

2016年09月

RegTech(レグテック)は規制(Regulation)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、2015年ぐらいから英国・米国を中心に使われ始めたキーワードです。主に新しいITを活用して複雑化・高度化が進む金融規制に対応する金融ITソリューションを指しています。今回はRegTech登場の背景や欧米での定義、NRIの考えるRegTechについて説明します。

RegTech登場の背景

近年、金融機関を取り巻く規制は範囲が拡大し、その管理対象となるデータの粒度も細かくなっています。また対応期限も定められる中、金融機関はスピード感をもって複雑な規制に対応することが求められています。規制への対応は必須であるものの、金融機関内部では、人的リソースの確保や、IT部門とユーザー部門間のギャップの調整、コスト削減などの課題を抱えています。

このような背景から新しいIT技術(人工知能やビッグデータ分析、ブロックチェーン、NoSQLなどのテクノロジー)を活用し、金融規制に対応するソリューションとしてRegTechが登場しました。年々複雑化する規制の要求に対し、様々な課題の解決につながっていくのではないかと期待が高まっています。

英国等におけるRegTechの定義

英国政府は、官民で連携して政策的にFinTechの取り組みを推進しています。英国の金融規制当局の金融行為監督機構(FCA:Financial Conduct Authority)ではFinTechによるイノベーションや競争を促進させるために2014年10月にProject Innovate(※1)を開始しました。

そのFCAではRegTechを以下のように定義しています。

「FinTechの一領域で、規制要件に既存機能よりも効率的・効果的に対応できるようにするテクノロジーにフォーカスしたもの。」 RegTech is a sub-set of FinTech that focuses on technologies that may facilitate the delivery of regulatory requirements more efficiently and effectively than existing capabilities.

Call for input on supporting the development and adopters of RegTech
https://www.fca.org.uk/publication/feedback/fs-16-04.pdf

また、国際金融協会(IIF :The Institute of International Finance)(※2)では、RegTechは以下のようなコンプライアンスや規制対応報告において有効に機能するとしています。

  • リスクデータ収集
  • モデリングやシナリオ分析
  • ペイメントの多様化に伴うリアルタイムでのモニタリング
  • 顧客(個人・法人)の認証
  • 金融機関内部の行為管理
  • 市場での取引時のリアルタイム管理(収益判断やコンプライアンス)
  • 新規制対応に伴う早期影響把握(組織横断)

さらに、金融規制対応のためにRegTechに活用されるべき技術として以下を挙げています。

  • マシンラーニング・ロボット・AI(非構造データ、音声・メール・PDFなど)
  • 暗号化
  • 生体認証
  • ブロックチェーン その他の分散型台帳
  • API(Application programming interfaces)
  • ユーティリティ共有とクラウドアプリケーション

※1 Project Innovate :FCAが主導する、消費者の利益となるイノベーションの促進及び競争促進を目的とした取り組み。規制の観点からイノベーションのフィードバックを行い、その中でイノベーションの妨げとなるような課題に対処する。

※2 The Institute of International Finance (IIF)  国際金融協会
1983年にワシントンを本拠地として設立。70カ国以上の国や地域から400以上の主要な金融機関が参加。国際金融システムの安定を維持するため、金融リスク管理の支援、規制・基準の策定などを行う。
出所レポート:REGTECH IN FINANCIAL SERVICES: TECHNOLOGY SOLUTIONS FOR COMPLIANCE AND REPORTING
https://www.iif.com/publication/research-note/regtech-financial-services-solutions-compliance-and-reporting

NRIの考えるRegTech

NRIではこれまでの調査研究などの取り組みから、RegTechについて以下のように整理しています。

RegTechとは、金融規制対応を目的①として、金融機関等②における新しい技術の活用③により効率化・高度化を推進する金融ソリューション④の中で、特に以下の特徴を持つものを指す。

①特に金融危機以降のグローバルな金融規制が意図する、粒度の細かいデータを高頻度・広範囲に収集する規制、コンプライアンス、リアルタイムモニタリング(FSBデータギャップ、MiFIDII、Dodd Frank等)への対応を想定する
②規制の対象としての金融機関(銀行、証券、保険、資産運用会社)が主体となる
③2000年代以降に利用が現実化した新しいIT技術、具体的にはクラウド、NoSQL、マシーン・ラーニング、暗号化、ブロックチェーン等を想定する
④規制対応の責任を担うコンプライアンス部門、リスク管理部門、フロント部門などのユーザー部門が主導的に推進することを想定する

今後も、グローバル規制やリスク管理の高度化についての調査研究を推進するとともに、規制対応の支援や適切なソリューションの提供を行っていきます。詳しくは各営業担当にご連絡ください。

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