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ルックスルー

2016年08月

長引く低金利環境下で、収益多様化や分散投資効果を目的とした金融機関によるファンド投資が増えています。今回は、ファンド投資の際のリスク管理で必要となる「ルックスルー」の意味や重要性を説明するとともに、投資家である金融機関とファンドを運用する資産運用会社で必要となる対応内容について整理します。

金融機関におけるルックスルーの重要性の高まり

金融機関はバーゼル規制によりリスクアセットに対する自己資本比率を算出することが求められています。リスク管理高度化の一環として、金融機関が保有するファンドについて、構成する個別資産ごとに残高等を把握して信用リスクアセットの計算をする必要があります。この個別資産ごとに把握する方法がルックスルー方式です。

(注)「その他の有価証券」のその他の額をファンド投資額としている。
(出所)「民間金融機関の資産・負債(日本銀行)」、「信用金庫統計(信金中金総合研究所)」よりNRI作成

近年、金融機関のファンド投資残高は右図のように拡大を続けています。2012年3月に5兆円に満たなかった金融機関のファンド投資額は4年で2.9倍に拡大し、2016年3月には14兆円を超えました。特に地銀・第二地銀、信用金庫ではファンドへの投資額を2015年3月より2~3割増加させています。

バーゼルⅢへの対応(※)、内部リスク管理の高度化ニーズやファンド投資残高の拡大もあり、ルックスルーの重要性も高まっています。

※バーゼルⅢでは信用リスクアセットの計算が複雑化され、ルックスルー方式が強化されることになりました。

金融機関や資産運用会社に必要となる具体的な対応内容について

ルックスルー方式で信用リスクアセットを計算するために、金融機関は投資しているファンド全体について、日々、横断的に国別のエクスポージャー(金融資産のうち価格変動等のリスクにさらされている資産)を把握するとともに、毎月ファンドごとの運用ガイドライン(投資方針や制限)に沿っているかどうかのチェックを実施しなくてはなりません。ファンド投資は、直接投資とは異なり、銘柄選択やポートフォリオ管理が基本的に資産運用会社に委託されています。そのため、金融機関は、資産運用会社から保有銘柄や数量に関するデータを受け取り、データを確認していくことになります。

一方、データを提供する資産運用会社は、ファンド投資をしている金融機関ごとに、ファンドのポートフォリオに関するデータを開示する必要があります。そのため、資産運用会社としても、バーゼル規制を正確に理解した上で、適切な情報を開示するなど、ファンド投資をしている金融機関をサポートしていく必要があります。

ルックスルーによって金融機関では膨大なデータの確認業務による負荷の高まり、資産運用会社における金融機関サポート負荷の高まりなどが顕在化する中、リスク管理を高度化していくためには、資産運用会社から送付するデータのフォーマットの標準化、金融機関内でデータの参照や分析などを行うためのデータ管理方法など、インフラの整備も必要になってきています。

NRIの取り組み

NRIでは、ルックスルーも含めた、関連するバーゼル等の規制調査を継続的に実施すると共に、金融機関(銀行)側・資産運用会社側の業務を支援するソリューションを提供しています。詳細は営業担当にご連絡ください。

リサーチ

金融ITフォーカス

・2016年7月号 銀行におけるファンド投資の課題と解決に向けて
・2015年12月号 銀行におけるファンド投資の課題とリスク管理の高度化に向けて
・2015年7月号 重要度が高まる外国籍投信ルックスルー管理の課題とその解決に向けて

日本の資産運用ビジネス

日本の資産運用ビジネス2015/2016号


ソリューション

プレスリリース

・2016年8月4日 投資ファンドに関するデータを自動受信できる金融機関向けサービスを12月に開始
・2015年10月20日 ファンドのバーゼルⅢ対応を支援する資産運用会社向け「IDS-BISサービス」を提供開始

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