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NoSQL

2016年06月

ビッグデータという言葉が使われるようになってから、はや数年経ち、企業においても顧客情報や取引データ、音声情報など、様々なデータ活用の優劣がビジネスの成否に大きな影響を及ぼすようになってきました。そのような多くのデータを格納するデータベースとして注目されているのがNoSQLです。今回はNoSQLデータベース自体を説明するとともに、金融機関における活用状況について考察します。

NoSQLとは

NoSQLは一般にNot Only SQLの略だと言われています。NoSQLというデータベースがあるわけではなく、多くの企業で使われているリレーショナルデータベース管理システム(以下、RDBMS)以外のデータベース管理システムを総称してNoSQLと呼んでいます。

NoSQLデータベースは、データの格納と取得の方法がRDBMSとは異なっています。データの形が一意ではなく複数の形式が同時に存在し得るデータに対し、テーブル構造(スキーム)を固定することなく、そのままの形で格納できるのが特徴です。また、key/value stores、wide column、DocumentDBなどのタイプがあり、RDBMSに比べて拡張性とパフォーマンスが高いという利点があります。(図表参照)

RDBMSとNoSQLの比較

要件 RDBMS NoSQL
データ構造
動的スキーマ
固定スキーマ

異なるデータ構造の取り扱いが可能
アジリティ
スケーラビリティ
水平・垂直の大幅拡張が容易
性能
大量データ処理、分散処理が可能
コスト・パフォーマンス
データ保全性
トランザクション保証付きも有り
クエリー機能
使いやすさ


このような特徴をもつNoSQLデータベースは、ネットサービス業などを中心に、多様かつ大量のデータを扱う分野で多く活用されています。

金融機関におけるNoSQLの活用状況

金融機関はこれまでRDBMSを主に活用してきましたが、海外の金融機関も含め、昨今NoSQLデータベースが活用・検討されるケースも増えてきました。その背景には以下の2つの理由があると考えられます。

1つ目は、金融機関においてコールセンタの会話の録音データ、ブログやSNSの掲載情報などの非構造化データを取り扱うことが増えているためです。従来は、勘定系システムなど構造化データによるシステム構成(RDBMS)が中心でしたが、非構造化データの急増に伴い、大量のデータをいかに効率よく管理できるかが金融機関における重要な課題となっています。

2つ目は、金融危機以降、次々と導入された金融規制です。これらの規制は対応の難易度が高い内容であることが多いうえに、その対応に許される期間も短く、迅速な対応が必須となっています。また、データ管理態勢に関する規制であるBCBS239(※1)に代表されるように、管理対象データの範囲が大幅に広がり、その管理方法もシステムを活用した自動化が推奨されており、従来EUC(End User Computing)やExcelで管理していたデータについても管理態勢の変更を迫られています。リスク管理の観点からはSA-CCR(※2)やFRTB(※3)などデリバティブを中心として更なる管理強化の動きが出ており、データ管理の高度化を図る必要も出てきました。こうした規制対応には、様々なところからデータを集めて管理し、レポートの作成や、更にはレポート項目の変更にも柔軟に対応できる必要があることから、対象データの格納と管理にNoSQLデータベースを活用する金融機関も増えています。

このように拡張性や柔軟性が高いデータ管理方法として注目を集めるNoSQLデータベースですが、導入には課題もあります。RDBMSに比べて、スキルおよび実務経験の高いエンジニアが少ないこと、利用ユーザ側もデータ格納方法の違いが大きいことから発想の転換が求められることなどが挙げられます。しかしながら、セマンティックス検索(※4)など、NoSQLデータベースの特性を活かした活用手法を検討する金融機関も現れており、今後も金融機関における導入は増えていくでしょう。

※1~3 いずれもバーゼル銀行監督委員会から発表された規制・枠組み
※1 BCBS239:実効的なリスクデータ集計とリスク報告に関する諸原則(Principles for Effective Risk Data Aggregation and Reporting)
※2 SA-CCR:カウンターパーティ信用リスクエクスポージャーの計測に係る標準的手法 (Standardized approach for counterparty credit risk)
※3 FRTB:トレーディング勘定の抜本的見直し(Fundamental Review of the Trading Book)
※4 セマンティックス検索:キーワードをはじめとする入力情報に含まれる「検索ユーザの意図・目的」を検索エンジンが適切に理解し、ユーザの求めるものに即した検索結果を提供するという概念、またはそのための技術を指す

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