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金融ADR制度

2012年05月

金融ADR制度とは、金融分野の裁判外紛争解決制度といい、金融機関と利用者とのトラブルを、裁判以外の方法で解決を図る制度です。(ADR:Alternative Dispute Resolutionの略)2010年10月1日からスタートしました。金融ADR機関に所属する金融分野に見識のある弁護士等の中立・公正な専門家(紛争解決委員)によって、裁判よりも短時間に低コストでトラブルの和解、解決に努める制度です。

金融ADR制度の現状

金融商品の多様化、金融サービスの複雑化により、利用者の数が増えてきましたが、一方でトラブルも増えてきています。

以下は各金融ADR機関の業務実施状況です。どの機関でも件数が増えています。

各金融ADR機関の業務実施状況(平成22年10月~平成23年9月)

  全国銀行協会 信託協会 生命保険協会 日本損害保険協会 保険オンブズマン 日本少額短期保険協会 証券・金融商品あっせん相談センター(注1) 日本貸金業協会 全体の状況
苦情処理手続件数 H22年10月1日~H23年9月30日(注2)
1946件 8件 545件 2380件 401件 110件 556件 268件 6214件
前年比 343%増 166%増 56%増 69%増 増減なし 214%増 28%増 57%減 68%増
紛争解決手続件数 H22年10月1日~H23年9月30日(注2)
675件 2件 218件 293件 8件 5件 112件 7件 1320件
前年比 472%増 皆増 56%増 372%増 - - 34%増 - 228%増

(注1) 証券・金融商品あっせん相談センターは、平成23年4月1日から指定紛争解決機関としての業務(特定第一種金融商品取引業務)を開始したことから、本表の記載内容は、平成23年4月1日から同年9月30日までの半年間のデータ(比較は前年同期比)となっている。
(注2) 受付件数については、速報値である。

出所)金融庁 金融トラブル連絡調整協議会資料 より抜粋

http://www.fsa.go.jp/singi/singi_trouble/index.html

http://www.fsa.go.jp/singi/singi_trouble/siryou/20111201/04.pdf

証券・金融商品あっせん相談センターの平成22年(2010年)1月~12月のあっせん状況によれば、適合性判断※1の前提となる顧客属性情報の平均年齢は74歳になっており、利用者の高齢化が進んでいることがわかります。

2007年9月に施行された金融商品取引法は、利用者保護と、利用者の利便性向上、金融資本市場の国際化への対応を計ることが目的とされています。金融機関に遵守すべき行為規制として、投資家のレベルに合わせ十分な説明をすること、投資家のニーズ・リスク許容度、商品を購入する目的に照らし合わせた商品を販売する適合性の原則の徹底など、を求めています。さらに、金融庁「平成23事務年度金融商品取引業者等向け監督方針」により、販売後のアフターフォローも不可欠という方針も発表されました。※2

金融機関には、契約締結前はもちろん、契約締結後のアフターフォローも必要となってきました。

フロントコンプライアンスの強化にむけて

NRIでは、金融商品取引法などの法改正への事前リサーチを踏まえてシステム対応をしています。コンプライアンス(法令順守)管理の目的は、おもに販売行動が適法に行われていたかを確認することにありますが、金融ADR対策としても、問題を発生させないために事前に何を実施すべきかを考えることが重要となります。

投資信託の窓販業務ソリューションのBESTWAYでは、「BESTWAYアドバイザープラットフォームソリューション」を開発しています。このソリューションは、業務フローの「潜在顧客の発見→顧客のニーズ特定→提案→取引→アフターフォロー」をシステムでカバーしており、金融商品販売全体を対象とする顧客情報および営業支援情報の提供による販売力強化、フロントコンプライアンスと事務ナビゲーションによるリスク管理の高度化を目指しています。フロントコンプライアンスの強化にむけては本ソリューションのなかの「金商法対応フロントシステムサービス」が有効に機能します。

「金商法対応フロントシステムサービス」の主な特長は以下の通りです。

  1. 充実のコンプライアンス・事務ナビゲーション機能
    • 取引の前後におけるコンプライアンス機能
      営業店には、登録すべき内容を明示し、日時、状況、会話など顧客との応接記録を簡単に登録することができ、本社は、登録内容の監視・登録内容と精度の維持、「承認」機能の活用、日々の事故、トラブルの予防、監視が可能になります。
    • 「金融機関ごとの規定に則った販売事務手続」の実装
      営業担当者が行うべき「金融機関ごとの規定に則った販売事務手続」をシステム上に簡単に作成することができ、情報を登録することができます。同機能により、行内規定の変更、見直しに柔軟に対応可能です。これにより営業店窓口の販売員のスキルによるばらつきをなくし、コンプライアンスのレベルを均一化し、内部統制を強力にサポートすることが可能です。
  2. 金融ADRにむけた本社・営業店の負荷の軽減

    ADR申立時には、証拠となる応接記録の抽出や、答弁書付属資料の作成が、大変な負担となる場合がありますが、システム化しておくことで、苦情・ADR申立時には、ヒアリングメモ、証拠となる応接記録の抽出や、答弁書付属資料の作成が可能になります。ADR事例等の研究により顧客からのヒアリング精度を向上していくような対応も可能になります。
    ADR対応に不可欠な「販売・勧誘状況の『復元』と『共有』」、顧客への「アフターフォロー」が、迅速かつリーズナブルに実現可能です。

今後、NRIでは「BESTWAYアドバイザープラットフォームソリューション」の充実を図り、金融機関の営業戦略に貢献していきます。

「BESTWAY/JJ」サービスについてはこちらへお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

  • 部署BESTWAY事業部
  • 電話045-285-3119
  • E-mailj-bestway@nri.co.jp

※1 適合性の原則
金融商品取引業者は、金商法第40条の規定に基づき、顧客の知識、経験、財産の状況、投資目的やリスク管理判断能力等に応じた取引内容や取引条件に留意し、顧客属性等に則した適正な投資勧誘の履行を確保する必要がある。

金融庁ホームページより

※2 平成23事務年度金融商品取引業者等向け監督方針
(2)商品販売後の顧客管理
金融機関と投資者との関係は、商品を販売してしまえば終わるというものではなく、商品の販売後の丁寧な顧客管理(アフターケア)も、投資者との信頼関係の確保のためには不可欠である。
とりわけ、投資商品の価格変動に影響を及ぼす市場動向や発行体の信用力の変化等について、顧客へ適時・的確にわかりやすい情報を提供し、投資者の理解を深め、投資判断をきめ細かくサポートしていくこと等も重要である。
中でも、高齢の顧客については、短期間に投資判断能力が変化する場合もあり、顧客の立場に立ってこまめに相談にのるなど、特に丁寧なフォローアップが不可欠である。
こうした観点から、顧客目線に立った適切な顧客管理が行われるよう促す。

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