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【 格付け 】信用格付けに関する内外の動向について

2010年08月06日

米国のサブプライム・ローン問題に端を発し、近年、国内外におきまして信用格付けのあり方に関する議論や様々の規制がかけられています。それに伴い、格付会社各社は格付符号の仕様変更や格付けプロセスの開示、当局への登録など、様々な対応を迫られております。
本ニュースでは、昨今の信用格付けに関する動向やIDSの今後の対応についてお知らせ致します。

1.信用格付けに関する様々動きについて

EU規則や米SEC規則では、証券化商品を対象とした信用格付けに対する規制を強化したり、格付会社の登録制度導入の動きなどがあります。
例えば、2009年9月に公布された欧州の格付会社規制では、EUの規制を受ける格付会社は証券化商品(ストラクチャード・ファイナンス)に対し、識別子を付与することが求められています。グローバルで事業を展開しているMoody'sやS&P、Fitchといった大手格付会社は同規制の対象となり、様々な対応を迫られました。既に、Moody'sやS&Pなどは、ストラクチャード・ファイナンスの格付けについて従来の格付符号に(sf)などの識別子を付与し、普通社債などの格付けと区別しております。

一方、日本国内に目を向けますと、2010年6月に「金融商品取引法等の一部を改正する法律」が公布され、日本国内で事業を展開する格付会社に対しても様々な規制がかけられる事となります。同時に、信用格付けの利用者側である金融商品取引業者も規制の影響を受ける事となりそうです。

今回の改正の全体像としては以下の2点が挙げられます。

(1)信用格付業者については「登録できる」制度を採用(金商法第六十六条の二十七)

改正金商法では、"「信用格付業者」とは、第六十六条の二十七の規定により内閣総理大臣の登録を受けた者をいう"と定めており、今後、日本国内で事業を展開する格付会社は登録するか無登録のままでいくかの選択を迫られます。仮に、登録業者となった場合には、金商法や業府令による様々な規制が課せられる事となります。

(2)金融商品取引業者等が無登録業者の信用格付けを利用する場合の説明義務について(金商法第三十八条三号)

改正金商法では、禁止行為として定められている金商法第三十八条に以下の条文が追加される事となります。
"顧客に対し、信用格付業者以外の信用格付業を行う者の付与した信用格付について、当該信用格付を付与した者が第六十六条の二十七の登録を受けていない者である旨および当該登録の意義 その他の事項として内閣府令で定める事項を告げることなく提供して、金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為"
今後、金融商品取引業者である金融機関が未登録格付会社の格付けを利用して金融商品取引契約の締結や勧誘を行う際には様々な制約を受ける事となりそうです。

また、金融審議会報告書によれば、今回の「信用格付業者」制度の発足に伴い、従来の「指定格付機関」制度は廃止、「適格格付機関」制度については引き続き維持したまま信用格付業者である事を選定の要件にするなどの方向性が出されています。

2.格付会社の主な動き

(1)スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービシズ(S&P)

『ストラクチャード・ファイナンス格付けに識別子を付与することを発表』(2010年2月17日)

2010年9月7日までに全てのストラクチャード・ファイナンス商品に新たに符号を付与する。また検討の結果、本ルールを全世界的に適用することが最も現実的であるという結論に至り、すべてのストラクチャード・ファイナンス格付けに識別子を付与することとした。
識別子は「(SF)」とする予定である。S&Pでは、この識別子を既存の格付け記号の小記号として加える (「スタンダード&プアーズの格付け定義」(2010年1月5日)参照) 。ストラクチャード・ファイナンス格付けの格付け区分などに変更はない。
今後、ストラクチャード・ファイナンス商品とみなされる案件の発行地、発行体・オリジネーター・裏付け資産の所在地、あるいは対象となる資産の種類にかかわらず、この識別子を付与していく。

(出所:スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービシズHP)

(2)ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(Moody's)

『ムーディーズ、証券化商品の格付けにインディケーターを追加する予定』(2010年7月14日)

2010 年7月14日、ニューヨーク、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、2009年10 月27 日に発表したとおり、証券化商品に対する新規および既存の格付けに、インディケーターを追加する意向である。この変更は2010 年8 月2 日までに全世界で実施する予定である。
ムーディーズのすべてのプレス・リリースやリサーチ・レポートにおいて、格付けのあとに"(sf)"というインディケーターを表示する。
たとえば、具体的な格付けに言及する場合、"Aa3(sf)"と表示する。同インディケーターをmoodys.com 上の独立したフィールドやムーディーズのデータ関連商品に表示する。
(sf)インディケーターは、それが付加された格付けが、証券化商品の格付けであることを示すものであり、それ以外の意味はない。(sf)インディケーターは、格付け会社に対するEU 規制(以下、「EU 規制」)の要請に対応するために用いられる。また、(sf)インディケーターが付される金融商品は、米国証券取引委員会の規則17g-5(a)(3)および(b)(9)(以下、「修正規則」)の意義の範囲内に含まれるとムーディーズが判断した「証券化商品」である。
ムーディーズがある金融商品に(sf)インディケーターを適用するとしても、ムーディーズが当該金融商品に修正規則を適用していることを必ずしも意味するわけではない。修正規則の適用対象は、ムーディーズが2010年6月2日以降に格付けプロセスを開始した証券化商品への格付けで、米国外の主体によって発行され、米国外で提供、販売される証券化商品に関してSEC が認めた修正規則の暫定的適用免除に依存できない金融商品に限られるからである。

(出所:Moody's Japan K.K. プレスリリース)

(3)株式会社格付投資情報センター(R&I)

『R&I 「信用格付業務基本方針」「格付方針等」を公表』(2010年7月1日)

格付投資情報センター(R&I)は、2009年6月24日公布の「金融商品取引法の一部を改正する法律」(改正金商法)により導入された格付会社規制に対応した業務管理・情報開示の体制整備を進めています。
その一環として、R&Iは「信用格付業務基本方針」を定めました。改正金商法の主旨に則り、信用格付業者としての果たすべき役割を踏まえて、目指す方向を明らかにするとともに、適切かつ円滑な信用格付業務遂行に必要な体制整備などに関する方針を示したものです。R&Iは会社として、この基本方針に沿って信用格付業務をガバナンスしていきます。
また、格付符号の定義、格付方法の概要などを「格付付与方針等」として整理すると同時に、信用格付の公表に関する方針や方法である「格付提供方針等」を定め、それらを全体として「格付方針等」として公表しました。「格付方針等」の公表は、投資家がR&Iの信用格付を利用する上で重要と思われる情報を提供するものです。それにより、投資判断の際に信用リスク評価情報として利用される信用格付の価値を高めることを目的としています。

(出所:R&Iニュースリリース)

(4)格付会社日本格付研究所(JCR)

『JCR行動規範の改定について』(2010年07月30日)

2009年6月24日、「金融商品取引法等の一部を改正する法律」が平成21年法律第58号として公布(2010年4月1日施行)され、格付会社に対する登録制(登録信用格付業者制度)が導入された。この結果、格付会社は信用格付業者としての登録に当って、その業務運営等について種々の法定要件を充足することが必要とされることとなった。こうした状況下、信用格付業者としての態勢整備のため、(株)日本格付研究所(JCR)では、このほど「JCR行動規範」の改定を別添のとおり行い、本日から実施することとした。

(出所:JCR HP)

3.IDSの今後の対応について

IDSでは内外に関する動向を継続的にウォッチしていき、適切なデータ提供を行っていきます。

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