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NRIハッカソン2016レポート

2017年1月号

デジタルビジネス開発部 主任テクニカルエンジニア 南部愛子

ユーザー企業、ベンチャー企業、NRI間のネットワーキング、および三者が共同で事業シーズを創造することを目的とした「NRIハッカソン2016」を9月から11月にかけて開催した。17チーム78名の個人参加者、10社のベンチャー企業がアイデアと技術を競い合った。今回のハッカソンのねらいとともに、当日の模様を報告する。

NRIハッカソン2016“Hack for Share”開催

 野村総合研究所(NRI)は、ユーザー企業、ベンチャー企業と三位一体で新しい事業シーズを創造する「オープンイノベーション活動」を推進している。その活動の一環として、2016年9月から11月にかけて「NRIハッカソン2016“Hack for Share”」を開催した。

 ハッカソン(Hackathon)とは、ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を組み合わせた造語で、エンジニアやデザイナー、プランナーが集い、2~3日間の限られた時間で集中的に共同作業してソフトウェアを作り上げる、技術とアイデアを競い合う開発イベントである。

 NRIでは、社内のエンジニアのスキル向上を目的として、2014年より4回にわたりハッカソンを実施している。2015年からは、人材育成に加え、成果をビジネス応用につなげることを目的として、協賛企業ならびに事業部の参加を呼びかけている。さらに、今回は、個人部門とベンチャー部門をそれぞれ募集、別々のプレゼン・審査プロセスとすることで、多様な観点でのビジネスアイデアが得られるよう工夫した。

参加者とユーザー企業、NRI三位一体のイノベーション

 NRIハッカソン2016(以下、「本ハッカソン」)は、NRIが参加者とユーザー企業のネットワーキングを図ること、そして、三者が一体となって事業シーズにつながる先進技術・アイデアを発掘することを目的としており、以下の3点の特徴がある。
1) 予選に個人部門と、ベンチャー企業部門を設け、個人参加者のアイデア・プロトタイプとベンチャー企業のプロダクトが競い合う枠組みを作ったこと
2) 各業界を代表するユーザー企業に協賛企業として参加いただいたこと
3) 参加者に対して面談によるフォローを行い、アイデア・プロダクトを協業につなげるための支援体制を用意したこと

 ここからは、この3点の特徴について詳説する。

特徴1:個人部門、ベンチャー部門の2つの予選を実施

 一般的に、ハッカソンは、個人の参加者を募って行うイベントだが、本ハッカソンでは、より広い視点で事業アイデアを発掘することを目的に、既にプロダクトを有しているベンチャー企業にも参加を呼びかけた。これにより、個人の斬新なアイデアや技術力を評価するだけでなく、既存プロダクトやコア技術の新しい活用方法を模索する機会とすることができた。

 ただ一方で、個人参加者が限られた期間で作成するプロトタイプと、ベンチャー企業のプロダクトという完成度が異なるものを評価する仕組みが必要になった。そこで、それぞれの良さを引き出すために、個人はHACKER AWARD、ベンチャー企業はSTARTUPAWARDと部門を分けて予選を行い、選抜された6つの個人チーム、5社のベンチャー企業が、最終審査(DEMO DAY)に臨むというプロセスを採った。

特徴2:業界を牽引する企業が協賛企業として集結

 本ハッカソンは、証券、生保、損保、銀行、商社の各業界を代表するユーザー企業に協賛いただいた。協賛企業には、日常業務の中でなかなか手をつけられていない課題や、斬新な発想が欲しいテーマをあげていただき、それを参加者に提示し、アイデアを発想してもらった。これは、ハッカソンを単なるイベントで終わらせるのではなく、その後の協業へ向けた取組みにつながる可能性を高めたいという狙いからである。また、協賛企業にも協賛賞審査員として参加していただき、テーマに相応しいプロダクトを開発したチーム、今後協業してビジネスを作っていきたいチームを選定、表彰していただいた。

 また、本ハッカソンおよびその懇親会の場では、協賛企業の経営層を中心とする来場者と、参加者との間で活発な交流が行われ、ネットワーキングも促進された。

特徴3:面談によるフォローで協業を目指す

 本ハッカソンでは、参加者と、協賛企業およびNRIとの協業を実現する確度を高めることを目的として、個人ならびにベンチャー部門の各優秀チームに対する面談を実施した。面談では、優秀チームのアイデアやプロダクトの足りない部分を指摘するのではなく、それぞれの尖った部分を生かしながら、どうすれば協賛企業の課題やテーマの解決に結びつくのかを、仮説を立てて共に考えながら協業提案を磨きあげるアプローチを採った。

 結果として、最終審査であるDEMO DAYでは、多くのチームから、「協賛企業に対して魅力的な提案ができた」と評価を得た。また、本ハッカソン終了後の現在、複数の協賛企業を交えて事業化の検討が進んでいる。

 当社のオープンイノベーション活動は、ハッカソンに留まらず、さまざまなアプローチで新事業の創造に向けた活動を推進中である。現在、検討中の案件を確実に事業化するとともに、今後も新しい施策を試行しながら、そのバリエーションを増やしていく予定だ。興味のある方は是非ご連絡いただきたい。

※組織名、職名は掲載当時のものです。

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Writer’s Profile

南部愛子

南部愛子Aiko Nambu

IT基盤統制推進部
主任テクニカルエンジニア
専門:先端技術を活用した事業シーズ創造

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