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願いは100%叶う!(叶った人にとっては)

2014年1月号

須貝悠也

2014年が始まったが、新年の抱負に「NISAもスタートしたことだし、今年は真剣に資産運用に取り組もう」とお考えの諸氏もいるかもしれない。そこでまずは投資商品を選ぼうと資料を眺め、利回りやコストといった「%」で表現される数字を見比べる訳だが、ここで私が唐突に「%って単位をご存知ですか」などと訊ねたら、あなたは「バカにしてるのか?」と憤るかもしれない。確かに%は誰もが知る馴染みの深い単位だが、我々は果たして本当に%のことを知り尽くしており、いつも正しくその姿を捉えているだろうか?以下に示す確率の問題は、%のナイーブな側面を知る一助となるかもしれない。

 【問題1】Aさんには子供が二人おり、一人は男子である。もう一人の子供が女子である確率は何%?

 【問題2】問題1の男子は12月生まれだという。もう一人の子供が女子である確率は何%?(※1)

 問題を見た瞬間「どちらも50%では?」という考えが脳裏をよぎるかもしれない。しかし、正解は問題1が66.7%(2/3)、問題2が51.1%(24/47)となり、ともに50%ではなく、同じ答えにもならない。直感的に思い浮かんだ50%=出生率と、問題の%とは何が違うのだろうか?ご存知の通り%はある値が全体に占める比率であるが、それ故に「全体」が何を意味するかについては特に注意を払わなければならない。この問題における「全体」は、問題1は「二人の性別の組合せ(2×2)(※2)の中で少なくとも一方に男子が含まれる組合せ」、問題2は「二人の性別と生まれ月の組合せ(24×24)(※3)の中で少なくとも一方に12月生まれの男子が含まれる組合せ」となる。一見無意味とも思われる情報の存在により、問題の%は出生率とは異なる別物の%になっているのである。

何気なく眺めることの多い%であるが、その意味と値は背後にある「全体」によって大きく変化する。そのため、%が持つ数字のインパクトに動じる前に、「全体が何か」を冷静に見極めなければならない。日常の中でしばしば目にする視聴率や支持率、あるいは「○○%の人が効果を実感!」と謳う広告などの%をどう解釈すべきか?投資商品を選ぶ際に参考にしようとしている%は、本当に自分が考えている意味の%か?異なる商品を比較する物差しとして使える%か?…「全体」に目を凝らせば、%の本当の姿がもっとよく見えるようになるかもしれない。

 ところで、本誌読者を調査したところ、筆者の記事が楽しみと答えた割合は何と100%であった。筆者は本誌の人気作家に違いない!(※4)

1) 各月、各性別の出生は同様に確からしく、各子供の性別は独立。
2) それぞれ男女の2種からなる二人の組合せ。
3) それぞれ男女×12ヶ月の24種からなる二人の組合せ。
4) 筆者調べ、アンケート対象は筆者の両親。

※組織名、職名は掲載当時のものです。

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Writer’s Profile

須貝悠也Yuya Sugai

金融デジタル企画一部
上級コンサルタント

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