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みずほ投信投資顧問様が「T-STAR/ReportAssist投資顧問向け」を導入

2013年4月号

RA顧問導入の経緯

 みずほ投信投資顧問様(以下、敬称略)が、野村総合研究所(以下、NRI)が提供する『T-STAR/ReportAssist投資顧問向け(以下、RA顧問)』を導入した。

 資産運用会社では、運用を受託しているお客様向けに、運用状況等を報告する投資顧問レポート(以下、帳票)を定期的に作成しているが、帳票のフォーマット等がお客様(ファンド)ごとに異なっており、帳票作成業務に多大な時間が費やされている。RA顧問は、そうした帳票作成業務を支援し、お客様の業務効率の向上を実現させるサービスである。

RA顧問のサービス概要

 RA顧問の特徴は、大きく4点ある。

 (1) 豊富な帳票項目

 帳票作成に必要な項目を豊富に取り揃えている。定型帳票に必要とされる項目のほか、非定型帳票も十分にカバーしうる項目を用意。これらは、スポンサー向けの報告書350種類をNRIが解析した結果として選定したものである。

 (2) 高いレイアウティング機能

 業界で標準仕様となっているレポートは、定型帳票として導入当初より利用できるようになっている。非定型帳票も、豊富な帳票項目の中から必要な項目をドラッグ&ドロップといった簡単な操作で作成できる。

 (3) WEBベースインターフェース

 クライアントインストールがなく、WEBブラウザ上での操作が可能である。

 (4) センターサーバ管理によるASPサービス

 帳票データや帳票定義に加え、最終成果物もサーバに保存することが可能である。これにより、導入企業のシステム障害やオフィスの災害時においても、レポート作成業務を継続できる。

システム開発部 岩瀬部長
システム開発部
岩瀬部長

 資産運用会社では一般的に、帳票作成は、Microsoft® Excel®のマクロを組んで対応しているケースが多く、みずほ投信投資顧問も同様であった。帳票作成業務を担当しているポートフォリオマネジメント部(以下、PM部) オフィサーの乙黒明香氏は、「当社では、報告書の様式を指定されていないお客様に対しては『四半期みずほ投信オリジナル帳票』(以下、M資料)を作成しています。年金のお客様向けに当社がカスタマイズした資料で、あらゆるところからデータを集め、それをファンドごとに加工しています。M資料の作成には、毎回40時間くらいかかっていました。複数のMicrosoft® Excel®で様々なマクロを組んで対応していましたが、過去の担当者を含めて修正や変更を重ねていたため、プログラムの解析が難しくなっていました。また、非効率な工程も多くなっていたので、すっきりさせたいと考えていました」と語る。このように、みずほ投信投資顧問では、帳票作成の業務改善が喫緊の課題となっていた。

 こうした中で、2010年1月よりGIPS基準が改訂されることになった。GIPS基準とは投資パフォーマンスの算出基準を定めたもので、資産運用会社はこの基準に準拠することが奨励されている。今回の改訂では、運用リターンの算出方法が、今までの簡便的な方法から、より精密な評価となる日次評価法が採用されることとなった。これは、帳票作成に大きな影響を与える変更であった。

 みずほ投信投資顧問では、これ以上Microsoft®Excel®のマクロで対応し続けることはオペレーショナル・リスクを増幅するだけであると考え、日次評価法の採用による業務負担への対応策として、抜本的に帳票作成の見直しを図ることにした。そこで検討したのが、NRIから提案のあったRA顧問である。

 システム開発部長の岩瀬氏は、「当社では、ポートフォリオの運用状況管理や、パフォーマンス分析を行う主要システムの一つとして、T-STAR/GX(以下、GX)を利用しています。帳票作成に用いるデータの多くは、このGXから取得しています。RA顧問の機能そのものが必要条件を満たしていたこともありますが、RA顧問とGXがシームレスに接続できることが、RA顧問導入の決め手になりました」と語る。

システム移行と仕様変更を同時進行

 ポートフォリオマネジメント部 乙黒オフィサー
ポートフォリオマネジメント部
乙黒オフィサー

 当初、RA顧問の導入は、PM部単独のプロジェクトとしてスタートする予定であった。しかし、PM部の人的リソースだけでは、日々発生する業務と新システムによる並行運用は、移行までの限られた時間において非常に難しいと判断。システム開発部の支援をあおぐことになった。

 PM部が行ったのは、仕様変更の洗い出しである。「日次評価法への切り替え以外にも、外国株式の国別要因分解に使用する「国」の定義を、従来の「運用国」から「投資国」に変更する等、以前から改善したいと思っていた部分を、帳票仕様の確認の場でNRIに相談しました。それを受けて、帳票仕様やレイアウトの見直しについてNRIから提案して頂き、煩雑であったフローが以前よりすっきりしました」(乙黒氏)。

RA顧問を使った月次業務フローイメージ

 また、今回、すべての帳票をRA顧問に移した訳ではなく、どの帳票をRA顧問で作成するかの選定もPM部が行った。乙黒氏は選定基準について「業務量が多くて時間がかかるもの。複雑で手作業が多いことからオペレーショナル・リスクが高いもの。数多くのお客様に関係している資料。業務量の効率化が顕著なものを選びました」と語る。

 こうして選定した帳票について、従来の方法から算出される数値とRA顧問から作成される数値の差異分析を行ったのはシステム開発部である。通常であれば、数値の違いが生じた場合には、徹底的に調べ上げることで解決できる。しかし今回は、単なるシステムの移行だけではなく、仕様変更も同時に進めたため、数値の違いが、帳票定義一覧から選んだ項目が違っていたのか仕様変更によるものなのかを判別する必要があった。乙黒氏は「仕様を変更したので、その点を考慮した『正解』となる見本帳票がありませんでした。数値の違いが妥当なのか、選んだ項目が間違っていたのか、一つ一つ判断していくのは本当に大変でした」と語る。システム開発部 マネジャーの松下氏は、「まずはシステム開発部で差異を分析し、差異が生じている理由が分からない時はPM部に調査を依頼しました。PM部でも分からない時はNRIに依頼しました。NRIでは、ヘルプデスクに専用窓口を設置して対応してくれました」と語った。

 当初UATは2012年3月末で終了するはずであったが、念のために2012年4月に本番環境へ一部の帳票をリリースしたあとも、フェーズ1、フェーズ2に分けてテストを重ねた。フェーズ1は、2012年9月末までのデータを使って数値の確認を行い、フェーズ2では012年12月末までのデータを使って、M資料の数値の確認を行った。岩瀬氏は「フェーズ1の時点で、予定していた帳票をすべてRA顧問へ移行できると思いました。ですが、RA顧問の導入効果が最も期待できるM資料の確認がフェーズ2でしたので、フェーズ2が終了したときにはじめて安心できました」と語る。

RA顧問導入で得られた効果

システム開発部 松下マネジャー
システム開発部
松下マネジャー

 RA顧問の導入により、帳票作成時間は、現時点では半減とまではいかないもののそれに近い短縮を実現できた。そのほか、業務フローをホワイトボックス化したことにより、エラーを見つけやすくなった。「いままでは、エラーの存在が帳票を出力するまで分からないケースもありました。RA顧問では、帳票出力前の段階でエラーを発見できるため、エラー箇所を早期に発見して修正できるようになりました」と乙黒氏は語る。「ホワイトボックス化により、以前よりも業務フローの説明がしやすくなりました」と続けた。

 また、従来はPM部でしか作業できなかった帳票作成業務であるが、システム開発部と共同でプロジェクトを進めたことにより、システム開発部にも帳票作成のノウハウが蓄積され、「帳票の修正作業や作成作業について、場合によってはシステム部門も協力できる」(松下氏)ようになったうえ、ユーザー部門とシステム部門の垣根が低くなり、更なる効率化に関する課題についても、共同で取り組む体制が整った。

RA顧問の次なるステップ

 RA顧問では、現在、スポンサーなどからの個別要求に対応したMicrosoft® Excel®への帳票出力だけではなく、様々なグラフを掲載したレポートをPDFで作成できるように取り組んでいる。これにより、例えば、資産運用会社がオリジナルに提供する四半期報告書の一括作成等も可能になる。今後も機能の充実を図り、利便性の高いRA顧問を追求していく予定である。

お客様プロフィール

 1997年朝日投信委託、第一勧業投資顧問、勧角投資顧問の三社が合併し、第一勧業朝日投信投資顧問が誕生。1999年に第一勧業アセットマネジメントに商号変更。2007年第一勧業アセットマネジメントと富士投信投資顧問が合併し、みずほ投信投資顧問が誕生した。

※組織名、職名は掲載当時のものです。

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