1. HOME
  2. 刊行物
  3. 金融ITフォーカス
  4. カテゴリから探す
  5. 金融トレンド
  6. インターネットバンキング-コストセーブからセールスチャネルへ…

インターネットバンキング-コストセーブからセールスチャネルへ-

2013年2月号

ValueDirect事業部 内山浩一

 銀行が提供するリテール向けサービスの中で、過去10年で大きな変化を遂げたものの一つがインターネットバンキングであろう。

 インターネットバンキングは、インターネットの普及にあわせて2000年前後から始まった。銀行では、店舗、ATM、コールセンターに続く新たなチャネルとして、位置付けられた。当初は、残高照会、入出金明細照会、振込・振替など、基本的なサービスが提供されていた。その後、インターネットの利用が高まる中で、インターネットバンキングの利用者も増加し(図表)、銀行間でのサービス競争も激しさを増している。

 このような中、銀行はインターネットバンキングを次の3点から強化してきた。

 1点目は、商品・サービスの拡大である。従来は店舗で取引を行っていた定期預金、投資信託、外貨預金、ローン、国債などをインターネットバンキングにおいても取り扱う動きである。特に、近年では投資信託や外貨預金のように時価変動するリスク性商品の取り扱いを始める銀行が増えている。利用者にとってインターネットならではの利便性が高まる一方、銀行にとっては金融商品販売による収益を上げていく狙いもある。

 2点目は、セキュリティである。インターネットでの金融犯罪が発生する中で、インターネットバンキングをより安全に利用するための対応である。例えば、可変パスワードやリスクベース認証機能(通常利用している端末以外から利用した場合には確認を行う)の採用や、振込限度額の上限設定などが挙げられる。昨年もインターネットバンキングの認証情報を盗み取る事件が発生した。今後も継続した対策が求められる。

 3点目は、スマートフォンなどのチャネル拡大である。モバイルバンキングは、インターネットバンキングと併せて提供されてきた。携帯電話端末の技術革新は激しく、フィーチャーフォン(従来の携帯電話)に加えてスマートフォンが急速に伸びている。銀行ではインターネットバンキングをスマートフォンに適したものとするため、スマートフォン専用アプリや専用画面の提供を始めている。現在は基本的なサービスを取り扱っている銀行が多いが、一部で投資信託、外貨預金などの取り扱いをはじめるケースも見られる。

 振り返ってみると、インターネットバンキングは当初基本的なサービスのみを提供し、銀行にとってはコストセービングチャネルとして始まったと言えよう。その後、金融商品販売の取り組みを強化し、セールスチャネルへと位置付けられようとしている。そこでは、店舗と同様にフルラインでの取引機能を提供するだけでなく、顧客が商品を選択・取引するための情報提供やナビゲーションといったサービスが重要になってくる。今後も安全性を高めながら、技術進化に取り組みつつ収益を生むチャネルとして取り組んでいくことが肝要である。

※組織名、職名は掲載当時のものです。

印刷用PDF

Writer’s Profile

内山浩一

内山浩一Koichi Uchiyama

銀行ソリューション事業推進二部
部長
専門:金融ビジネスの企画・調査

注目ワード : インターネットバンキング

インターネットバンキングに関する記事一覧

このページを見た人はこんなページも見ています