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常陽証券様が「STAR-Ⅳ」を導入

2012年12月号

業界標準のバックオフィスシステムを導入


佐藤取締役

 2007年に設立された常陽証券様(以下、敬称略)は、設立後3年目の2010年に、バックオフィスシステムの見直しをすることになった。見直しにあたり、常陽証券は、候補先として野村総合研究所(以下、NRI)を含む3社を選んだ。

 NRIから提案したのは、リテール証券のバックオフィス業務をサポートする共同利用型システムである『STAR-Ⅳ』である。STAR-Ⅳは、LINUXサーバーおよびUNIXサーバーによる分散処理、証券残高/勘定残高/取引実績/投資余力等の徹底したリアルタイム処理、コンプライアンス機能の強化、全帳票のペーパーレス化、EUC専用機能の充実、制度対応への堅実な対応、といった特徴を持つ。選考の結果、2010年7月下旬、STAR-Ⅳの導入が決定された。

 選定にあたって、常陽証券が重要視したのが、サービスの安定性・継続性である。中でも地銀系証券会社への導入実績が既に8社あったことは、大きな決め手となった。地方銀行間のつながりは強く、常陽証券自身は、他社へのヒアリングを通して、STAR-Ⅳへの信頼を高めていった。システムリプレイスの責任者であった取締役の佐藤裕彦氏は、「STAR-Ⅳは、同業他社の多くが利用しているシステムで、ほぼ業界標準になっています。今回の選定にあたって、ベンダーリスクやマイナーリスクを避けることが一番でした。また、経営者としての視点から、STAR-Ⅳはそのオプションの機能も含めて、サービスの奥行きがあって、システムを通して常陽証券の経営の夢を描くことができると感じました」と語る。

THE STAR全体図

導入決定からサービスインまで


経営企画部
川井次長

 STAR-Ⅳの導入には通常、最低でも6ヶ月の移行準備期間が必要である。しかし、常陽証券の導入希望は2010年7月から作業を開始し、12月末をもってサービスを移行したいとするものであった。NRIはこの条件を達成するためのプロジェクトチームを立ち上げ対応することとなった。

 限られた期間で対応するためには、カスタマイズでの対応をゼロにおさえ、すべてのオペレーションをSTAR-Ⅳにあわせる必要があった。STAR-Ⅳへの移行を指揮した経営企画部 次長の川井昌洋氏は、「常陽証券のお客様は、常陽銀行から紹介を受けたお客様が大半です。ですから、システム移行作業が原因で常陽証券のサービスがストップすることになれば、常陽銀行のイメージまで損ねることになります。そういった意味でも、失敗は許されませんでした」と語る。

 通常の開発スケジュールよりも厳しい条件の中で、常陽証券とNRIは二人三脚で進むことになる。川井氏は、「最終的に、当初予定通りに11月末のリハーサルにこぎつけたのは、NRIが各支店にオンサイトで対応してくれたのが大きかったです。開発だけではなく、業務面のサポートも盤石でした。もちろん、リハーサル以降も、新規にお客様は増え続けますから、本番稼働までは予断を許さない状況でした」。本番への移行は1月1日。「1月2日を予備日としていましたが、1月1日の出社だけで済みました」と語る。

セールスナビで顧客サービス向上


営業統括部
小松崎部長

 常陽証券では、STAR-Ⅳの稼働と期を同じくして、オプション機能の一つである「セールスナビ」の導入を決定した。セールスナビは、営業日誌をはじめとしたお客様情報を管理できるCRMである。セールスナビの最大の特徴は預かり資産や取引履歴等の情報が、STAR-Ⅳと密接に連携ができる点である。また、顧客への契約締結前書面の交付状況や重要事項の説明状況が一目でわかるコンプライアンス機能もついている。分配金や利金のグラフなどのパフォーマンスレポートの作成機能、社内の申請書類をペーパーレス化し社内業務を効率化できる機能も用意され、営業員の業務を全面的にサポートすることができる。

 常陽証券では、今まで利用していたバックオフィスシステムに付属しているCRMの機能を利用していたため、CRMも刷新する必要があった。営業統括部長の小松崎光一氏は、「正直、まだ『セールスナビを使いこなしています』といえる状態にはなっていません。しかし、意識としては、NRIが想定していないような『こういう使い方をしています』というフィードバックができる位になりたいですね」と語る。

BCPへの備えも万全


事業統括部
小曽納課長

 2011年3月の東日本大震災では、常陽証券は全社的に被災し、什器が破損したり電話が通じないなどの影響を受けた。震災発生翌日の土曜日から物が散乱したオフィスの片付けを開始し、インフラが復旧した場合としない場合のシナリオを描いて月曜日の営業再開に向けた準備を整えた。STAR-Ⅳには標準装備のBCP機能として、被災した部店に成り代わって、他部店が業務を代行できる機能もあるが、幸い、インフラが復旧したため、その機能を利用することなく、月曜日から通常営業に戻ることができた。

 その他、STAR-Ⅳには、オプション機能として①お客様のネットワーク機能が停止した場合のSTAR-Ⅳへのインターネット接続、②STAR-Ⅳが停止した場合のNRIの大阪データセンターのバックアップシステム(データ参照)への切り替え、を用意している。常陽証券では、この2つのオプション機能も利用している。BCPオプションの選定を行った事務統括部 課長の小曽納康弘氏は、1999年に東海村JCO臨界事故が起きた当時、立ち入り禁止区域内の支店に勤務していたこともあり、誰よりもBCPに対する意識が高い。小曽納氏は「STAR-Ⅳを選択した理由の一つに、BCP機能が充実していたことが挙げられます。一般的に、証券会社のお客様は、余裕資金を運用されていると考えられますので、災害等の際、すぐに換金したいといった要望は少ないと思います。しかし、お客様が商品を解約したいといった資金ニーズがあるならば、それにお応えするのが、地元に密着した地域金融機関の役割だと思っています。ですので、そういう意識のもとでBCPを考えています」と語る。

 常陽証券では、年に1回はBCP訓練をしている。またNRIが企画したSTAR-Ⅳの全ユーザー参加型のBCP訓練にも参加した。「こういった大掛かりなBCP訓練は、ユーザーが多くなければできません。STAR-Ⅳを選んだメリットをこういう点でも実感しました。常陽証券独自のBCP訓練とは違った角度で様々な課題を確認できますので、非常にありがたいです」と小曽納氏は語る。

 

 取締役の佐藤氏は、「STAR-ⅣのようなASPサービスにはメリットもあれば限界もあります。限界と言われていることの一つが、個社の要望をそのまま聞き入れてもらえるわけではない点です。しかし私は、その「限界」と言われている部分はかえってメリットと考えています。それは、STAR-Ⅳは、個社の要望を切り捨てているわけではなく、最大公約数を導き出してそれを反映させているからです。制度変更への対応も同様です。その場限りの対応ではなく、汎用性・拡張性を考慮したつくりになっています。ですので、われわれも、色々な要望を出していきたいと思いますが、NRIの中で最適解を見つけ、STAR-Ⅳを充実させていっていただきたいと思います。また、これからユーザーが増えて行くことでさらなる機能充実を期待しています」と語った。

お客様プロフィール

常陽証券株式会社

 常陽証券は、茨城県水戸市に本社をおく地元密着型の証券会社である。地方銀行の中で預金量で5番目の規模を誇る常陽銀行が親会社で、2007年に誕生した。

 常陽銀行グループではお客様の多様化する資産運用ニーズにあった商品・サービスの提供に取り組んでおり、特に常陽証券では、投資信託や仕組債の品揃えを充実させている。

※役職は2012年10月25日現在。

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