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NRIニュース

2011年11月号

ニュース1 Sibos2011に出展

 野村総合研究所は、2011年9月19日から23日にかけて開催されたSibos2011に出展した。
 Sibosは、SWIFTが主催するカンファレンスで、世界の金融サービスのトップ企業が集う金融イベントである。SWIFTの戦略・新サービスの周知や、SWIFTに密接に関連する銀行・証券業界のホット・トピックのディスカッションの場となっている。開催地は毎年変わり、各国の金融中心都市で開催されている。今年の開催地は、カナダのトロントで、会場となったのは市内中心部のカンファレンスセンター(Metro Toronto Convention Centre)であった。世界各国から200社以上が出展し、7,600人以上が参加した。出展企業は主に、金融取引の決済にSWIFTを使用する投資銀行、商業銀行、取引所、カストディアン銀行、SWIFTメッセージを処理するシステムを提供するITベンダー、コンサルティング会社である。
 Sibos2011における証券関係セッションの共通テーマは、金融危機後の金融インフラのあり方であった。証券市場においては、危機前より、各国で異なる市場慣行や制度の調和、ポスト・トレード処理における効率化としての市場インフラ(清算・決済機関)の統合が進められてきたが、効率化が進む株式取引においてさえ市場インフラ間の水平連携(相互運用性)は今なお一部にとどまる。取引所と清算機関の垂直統合の観測もホットトピックとして取り上げられた。
 また、欧州で進められている振替決済の共通化(T2S)プロジェクトを主導する欧州中央銀行は、システム開発スケジュールの遅延を発表し、市場慣行や制度の調和を検討する作業への悪影響が心配されている。
 金融危機後の新しい政策としては、システミック・リスクの抑制を目的とした市場インフラ(清算機関)へのリスク集中が進められている。会場では、クロスボーダーな取引が一般的な店頭デリバティブ取引において、どの国にある清算機関を使うのか、また、清算機関自体の倒産リスクをどう管理するかについて大手金融機関の立場から議論が広げられた。
 日本に関係の深いところでは、証券保管振替機構が2014年からISO20022メッセージをSWIFT Net経由で送受信できるようにすることを発表した。

 野村総合研究所は、ブースにおいてNRIのソリューションを紹介したほか、オープンシアター(セッション会場の一つ)で2講演を行った。ここでは、その講演の内容について紹介したい。

災害時における金融市場の機能維持

 金融I T イノベーション研究部長の井上哲也が、“Ensuring proper function of financial markets in the event of a serious disruption”と題して講演を行った。
 まず、日本は自然災害が多い点を指摘した上で、「防災の日」のストリートワイド訓練のように官民による防災体制が整備され、3月の大震災の際も、支払・決済システムや主要取引所などのインフラが機能を維持し、金融面での混乱を抑制できた点を紹介した。
 次に、市場レベルBCPを取り上げ、市場機能の維持に民間部門の役割が大きい点や、バックアップサイト等のハード面と、市場慣行の調整や官民の関係者間での連絡・調整などソフト面のバランスが重要である点を指摘した。併せて、市場レベルBCPがSARS(重症急性呼吸器症候群)等の広域かつ長期の事態にも対応を進めた点を説明した。また、金融危機で中央銀行が実施してきた危機対策が、市場機能の維持という同じ目的を持つ点で市場BCPへの応用が期待されることを示唆した。
 最後に、日本国内でも主要市場の関係者による共同訓練など市場レベルBCPの整備が順次進んできたことを説明した。その上で、今後の課題として、市場横断的なBCP組織の整備や各金融機関内での組織横断的な連携の強化を挙げた。

東日本大震災後の日本の金融機関の取り組み

 ERMプロジェクト部のグループマネージャー 能勢幸嗣が、“Post-earthquake measures taken by Japanese financial institutes”と題して講演を行った。
 3月11日に発生した東日本大震災。震災に対して、どのように金融市場/金融機関が対応したのか、対応を通じてどのような課題・問題が顕在化したのか、それらに対して金融機関およびNRI自身がどのような取組みを開始しているか、この3点について話を行った。
 まず、金融市場/金融機関の対応について、被災された金融機関もある中、市場と市場参加者間での迅速な情報共有や金融機関の相互協力によって、決済機能及び市民生活が如何に維持されたかについて紹介した。
 次に、課題として、①緊急時の意思決定態勢の混乱、②要員確保の難しさ、③オフィスに散在する業務データ保全が不十分であること、そして④外部業者とのBCPの整合性が不十分であることを指摘した。
 最後に、それらの課題に対して、災害シナリオに依存しないエマージェンシーレベル(もしくはインフラベース)のBCP策定の取組みや、BPOを活用した二重化の取組み、T-MONOLIXなどプライベートクラウドを活用したシステムと業務データ保全などの取組みを紹介し、話を締めくくった。
 講演に出席した海外金融機関からも、欧米でも同様の課題/取組みが必要であるとの賛同を得ていた。

ニュース2 2011年もFinTech 100の第9位にランクイン

 米国の金融専門メディア「American Banker」、「Bank Technology News」と金融サービス企業IDC Financial Insightsは、毎年秋、世界の金融ITサービス企業のランキングFinTech 100を発表している。
 野村総合研究所は、昨年に引き続き第9位にランクインした。

※組織名、職名は掲載当時のものです。

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