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NRIニュース

2011年9月号

ニュース1 「 相続に関する実態調査アンケート(2011)」から見えてきた相続ビジネスの課題

「平成23年度税制改革大綱」で示された方針によって、今後幅広い層の相続が影響を受ける

  「平成23年度税制改革大綱」では相続税の基礎控除額を現行の5,000万円から3,000万円に引き下げること、および、高額の相続に対する税率の引き上げが方針として打ち出された。また、次世代への資産移転を促進させるために、生前贈与の控除枠拡大や税率軽減なども、あわせて盛り込まれている。
 この方針が施行されればより幅広い層にとって、相続は「生前にいかに準備しておくか」が重要になっていくと予想される。

相続時に最も困ったのは税制、相談相手の上位は税理士などの専門家

 野村総合研究所は、2011年5月、全国の40~79歳の男女48,865名を対象に「相続に関する実態調査アンケート(2011)」をインターネット上で実施し、相続ビジネスの現状を分析した。
 今回調査の回答者全体のうち、「父母どちらか(両方も含む)から相続経験があり、相続資産が父母合計で3,000万円以上、個人保有金融資産1,000万円以上、年齢50~79歳」の人1,000名(以下、「アッパー相続層」)を抽出し、相続時の状況を聞いた。
 親から相続が発生したときに困った(知りたかった)内容を、アッパー相続層に聞いたところ、「とくに知りたかったことはなかった」が43.7%だった一方で、残りの人たちからは、「税制について(34.1%)」、「不動産について(24.2%)」、「金融資産の査定について(15.5%)」が上位にあがった(図表1、複数回答)。
 相続が発生した際に活用した情報源として「専門家に相談した(40.5%)」、「雑誌や書籍(25.9%)」、「金融機関のホームページ(11.1%)」が上位にあがっている(図表2、複数回答)。このうち、専門家や金融機関に相談したアッパー相続層の相手として、上位にあがったのは、専門家では「税理士(56.9%)」、「弁護士(19.0%)」、「司法書士 (19.0%)」で、金融機関は「銀行(15.0%)」、「信託銀行(6.0%)」、「証券会社(5.6%)」となっており、相対的に金融機関のプレゼンスは低かった(図表3、複数回答)。

遺言とあわせて生前贈与などの「事前準備」のサポートの整備が課題に

 事前準備の中で最も重要な遺言などの準備状況を全回答者に聞いたところ、「遺言」は4.2%、「エンディングノートやマイライフノート」は2.3%が用意しているにとどまっている。しかし準備をしていない残りの93.7%のうち55.8%は準備をする必要があると感じており、これらの層に事前準備のサポートを提供していくことが重要になる(図表4、複数回答)。
 また、相続額が高額になるほど生前贈与の実施率は高くなる傾向があることがわかった(図表5)。今後、基礎控除枠が引き下げられた場合、より幅広い層が生前贈与の活用を考えるようになることが予想される。

親と子のニ世代にまたがるアプローチの重要性が増す

 相続や生前贈与をきっかけとして、配偶者や子供に自身が活用している金融機関を紹介する人は現状ではまだ8.0%程度にとどまっている(図表6、複数回答)。また、相続した預貯金のうち4割程度は他の金融機関に流出する傾向も明らかになっている(図表7、複数回答)。
 これまで金融機関にとって「相続ビジネス」は、「事後的なアプローチ」にとどまっていたのが現状であるとすれば、今後は遺言のサポートや生前贈与の活用、さらには次世代の口座開設といった、二世代にわたった「事前のアプローチ」に転換することが重要になると考えられる。

■「相続に関する実態調査」についてのお問い合わせ
focus@nri.co.jp

ニュース2 金融・資産運用ソリューションのBCP訓練を実施

 2011年7月14日、野村総合研究所の金融・資産運用ソリューション事業本部は、本部をあげてBCP訓練を実施した。BCP訓練は、ソリューションごとに約半年に1回実施しているほか、ソリューション全体でも年に1回実施している。
 今回実施したのは、ソリューション全体の訓練で、T-STAR、I-STAR、IDS、BESTWAY等各サービスより総勢60名が参加した。訓練は、計画停電によりNRIのオフィスが停電した場合を想定し、その場所で業務が続けられなくなっても、あらかじめ設営してある代替オフィスに拠を移し、縮退運用をしながらも顧客へのサービス提供を継続できることの確認を行った。

<BCP訓練の流れ>

1. 被災状況の確認
  今回は、計画停電(実施の可能性が高い状況:供給予備率見通しが1%未満)を想定
2. BCP発動
  発動権限者の発動までの意思決定手順の確認
3. 代替オフィスへ移動
  代替オフィスへの移動経路、時間の確認(停電で電車ストップも想定し、自転車・徒歩も移動手段に設定)

代替オフィスへ移動


自転車で移動


徒歩で移動

4. 代替オフィスにて作業を確認
 ● 各サービス業務環境の接続確認
 ● 各サービス業務の開始までの時間の確認
 ● 電話/メール/FAXといった通信手段の確認
 ● 顧客(実際には顧客役の社員)への連絡

代替オフィスでの作業風景

確認作業の風景

5. 停電の回復などの状況を確認した上でBCP体制の解除
6. 課題・反省点を話し合い、BCP訓練終了
 訓練に参加した社員は社内への緊急連絡や、被災状況の収集や共有、代替オフィスへの移動、業務開始環境の整備、顧客への連絡など、ひとつひとつの作業を確認しながら行い、本番さながらの訓練となった。いつもと違うオフィス環境で、業務を継続するための新たな課題も発見できた。今回は大規模な訓練となったが、ソリューションごとの訓練も行っていることから、現場に混乱はなく整然と進めることができた。

<訓練を指揮した金融・資産運用ソリューション事業本部 和栗業務管理室長のコメント>
 今回の訓練では、シナリオに沿っての連絡体制、それを受けてのアクションなどは問題なく検証できた。BCPでは、システム上のネットワークの確認・通信手段の確認・業務開始までの手順の確立が必須である。今回、代替オフィスに到着してから、顧客へのサービス開始まで30分~1時間程度で行えることが確認できた。今後はこの時間のさらなる短縮と、今回の訓練で上がった課題を検証し、各サービスのBCPの実行性と実効性をあげていきたいと考えている。

お知らせ Sibos トロントに出展

 2011年9月19日から23日にかけて、カナダのトロント(会場:Metro Convention Centre)において、世界の金融サービスのトップ企業が集う金融イベント「Sibos」が開催されます。野村総合研究所も出展しますので、是非、ブースにお立ち寄り下さい。

Sibosトロントについて

 S i b o s を主催するのはS W I F T( S o c i e t y f o r W o r l d w i d e I n t e r b a n k F i n a n c i a l Telecommunication)という1973年にベルギーで設立された団体です。安全で信頼できる金融メッセージングサービスを提供する金融業界の共同組合です。設立当時は銀行間取引の効率化が主な役割でしたが、今やその役割は、証券会社の業務も含めて拡大し、メッセージングの標準化を通して、金融取引におけるリスクとコストの低減に貢献しています。

  Sibosは、SWIFTのユーザ企業を集めて毎年秋に開催されます(来年は、大阪で開催)。SWIFTの戦略・新サービスの周知や、SWIFTに密接に関連する銀行・証券業界のホット・トピックのディスカッション、金融機関・ITベンダーのサービス展示などが行われ、毎年5000名以上が参加しています。2011年のテーマは「今一度考える:規制について」「テクノロジー」「変わり行く環境、新たな展望」「グローバルな視点、ローカルな視点」の4つです。これらについて90を超えるセッションが設けられ、業界を代表する200名以上のゲストスピーカーが講演する予定になっています。

NRI出展内容のご案内

 野村総合研究所は、金融IT部門のキャッチコピーである“Transforming Financial Services Through Technology and Insight.”を、ブースやオープンシアター(セッション会場の一つ)で伝えていきます。ブースでは、日本式エコバック=風呂敷のイベントも企画しています(20日、21日、22日の15時~)。
 オープンシアターは、下記の2講演を予定しています。
(1) 9月20日(火) 15 : 30~ 
 テーマ: Ensuring proper function of financial markets in the event of a serious disruption
 講演者: 金融ITイノベーション研究部
 主席研究員 井上 哲也(2) 9月22日(木) 10 : 45~
 テーマ: Post-earthquake measures taken by Japanese fi nancial institutes
 講演者: ERMプロジェクト部 
グループマネージャー 能勢 幸嗣

■Sibos出展に関するお問い合わせ
sibos2011@nri.co.jp
※ 入場には、事前に登録が必要です。詳しくはSibos公式サイト:http://www.sibos.com/をご確認ください。

※組織名、職名は掲載当時のものです。

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