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じゃんけんの勝ち方

2011年9月号

 じゃんけんの勝負にはいろいろな“戦略”がある。よく知られているのは、とっさにグーを出す人が多いので、まずはパーを出すというもの。じゃんけんの前に一言「次はグーを出そうかな?」とつぶやいて相手を惑わす心理作戦もある。3歳児ぐらいならこの一言にニヤっと笑って「パー」を出してくるので、すかさずチョキを出す。ここまではよくある話。
 実は、たくさんの人数でじゃんけんする場合、事前に他人と協力しておくことで、 勝率を上げ下げすることが可能になる。ただ、少々ズルイ作戦なので、多用すると友人を失う危険性はある。
 10人の中でじゃんけんに負けた1人が掃除当番になるとしよう。通常は、自分が負ける確率は1/10(=10%)である。この時、仲の良い友人と二人で予め何を出すのか(例えば、グー、チョキ、パーの順番で出し続ける)決めておく。この状態で10人でじゃんけんをすると、私と友人は同じものを出すので、実質9人でじゃんけんしているのと同じになる。たまたま自分と友人が負けたら、最後は二人での真剣勝負となる。この方法を使うことによって自分が負ける確率を1/9×1/2=1/18(=5.6%)と半減させることができたのだ。2人ではなく最初から友人5人と結託してこの戦法を使えば、この5人はそれぞれが負ける確率を1/30(=3.3%)まで減らすことができる。結託する人数を増やせば、負ける確率を1/512(= 0.2%)まで下げることも可能だ。
 逆に、どうしても勝ちたいときはどうするか。取り巻きの友人(家来の役回り)に自分に負ける手(自分がグーを出す時はチョキ)を常に出し続けてもらうことで自分の勝率を上げることができる。
 例えば5人でじゃんけんをする場合、通常ならば自分が勝つ確率は1/5(=20%)だが、こういう忠実な家来がいると、46.9%にまで跳ね上がる。自分が負けそうになるとこの家来がアイコに持ち込んでくれるからだ。家来の分を合わせた勝率40%よりも高まっていることに注目してほしい。また、家来が2人いて、1人は自分の負け役、もう一人は自分と同じ役(影武者の役目)を果たし、負け役が死んだ後は影武者が負け役になるというようにした場合は、自分の勝率を77.1%まで引き上げることができる。
 この戦法は、確率関連の雑学の本に載っていてもいいレベルだとは思うが、見かけたことがない。もしかすると筆者のオリジナルかもしれない。
 相手がどう出るか分からない三すくみ状態で物事を進めなければならないことは社会ではよくあることだ。そこでも、じゃんけんの勝ち方戦略は威力を発揮するかもしれない。ただし、くれぐれも策に溺れることがないようにご注意を。

(二村 修)

※組織名、職名は掲載当時のものです。

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