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資産運用セミナー報告 資産運用ビジネス2010セミナー編

2011年2月号

金融ITイノベーション研究部

 2010年12月14日、野村総合研究所(NRI)は「資産運用ビジネス2010」と「2011年サービス企画説明会」の二つのセミナーを同時開催した。当日の参加者は200名を超え、両セミナーとも盛況の内に終了した。
  「資産運用ビジネス2010」では、以下の3つの講演が行われた。

講演1 資産運用会社の新成長戦略を探る

金融ITイノベーション研究部 堀江 貞之

 まず、2009年度および10年度前半の資産運用ビジネス(除く信託・生保)の状況について話があった。09年度は資産の期末残高は前年に比べ増加したが、運用収入は減少した。10年度に入って、残高・収入ともに回復傾向にある。投信への資金流入額も08年度を底に増加傾向にあり、やや明るさを取り戻しつつあると言えるだろう。一方、09年度の利益率は15%程度と、03年度の水準にまで低下している。これには、収入が減少した中、費用の最大項目である人件費の圧縮が進まず、2番目に大きい委託調査費(外部流出)も増えていることが要因として挙げられる。
 人件費に直結する人事施策を、NRIが10年に実施した運用会社へのアンケート調査から国内系・外資系別に見ると、外資系は人材採用の凍結や人員削減の実施が前年に比べ大幅に減少している。今後3~5年で10%以上の増員を見込む会社も25%に上る。国内系はそもそも採用凍結や人員削減を実施しているところが外資系より少ないが、前年からの減少幅も小さい。増員を見込む会社も少なく、既存の人員を維持する一方、新たな採用は抑制する傾向が国内系は強いようである。
 投信・投資顧問別では、投信ビジネスの伸びへの期待が大きい。投信への資金流入額は前述のように増加しており、アンケート調査でも、今後3~5年程度で資産が増加する見通しが最も高いのは投信となっている。ただ運用報酬率は、投資顧問が低位安定なのに対し、投信は高位ながらここ4年ほど低下している。
 アンケート調査では今後資産の増加が見込まれる商品タイプを聞いている。外国もの、とくにエマージング株式・債券を挙げる回答が7割を超えた。オルタナティブ商品(不動産、コモディティ、ヘッジファンド、プライベート株式)については、国内系と外資系で見方が大きく分かれた。国内系は高い伸びを見込むところが大きかったが、外資系はかなり少ない。より細かい商品別に、顧客からのニーズと商品提供状況を聞いたところ、年金では顧客ニーズが高くまだ競争の激しくない(有望な)商品として、下方リスクコントロール関連商品が並んだ。リテール顧客では、通貨選択型外債以外に有望商品がなく、やや枯渇感がみられる。
 ビジネス状況の概観の最後に海外展開について触れられた。国内系運用会社はアジア展開を加速させている。大手のほとんどが自前でアジア株式運用を行う意向をもっているものの、海外運用会社との提携を進めるところもある。海外との提携では、国内顧客のニーズをどれだけ捉え商品を組成できるかが、国内系運用会社の強みとなると見られる。
 次に、投信市場、投資顧問市場各々における成長への課題が述べられた。
 投信市場では、追加型株式投信のうち毎月分配型ファンドが残高に占める割合がこの10年増加を続け、ついに7割近くを占めるに至っている。資金流入もほとんどが毎月分配型ファンドという状況である。このファンドの平均分配金利回りは10%を超えており、追加型投信全体の平均利回りより3%以上高い。一方、基準価額は10年度に入って平均10%近く下落している。中には基準価額を下げ無理をして分配金を増やしているファンドもあるのではないかと見られる。こうした配当政策は最終的に顧客の利益を損なうことになるのではないか。顧客への十分な説明が求められよう。
 また投信ビジネスには顧客満足度を上げるようなプロセス改革が必要であろう。たとえば、運用会社が設定したファンドのリターンと顧客が実際に獲得するリターンには乖離がある。これは顧客の売買行動による部分が大きいが、顧客リターンが上がらなければ顧客の満足度も上がらない。運用会社側にも何らかの施策が必要ではないだろうか(この点については3番目の金子久の講演で触れられる)。
 年金ビジネスでは、今後ダイナミックなリスクコントロールを加味した運用が必要になると考えられる。成熟度が高まっている日本の年金では、下方リスクへの対応と必要な収益確保の両立が重要となる。日本株運用ではベンチマークに対する相対運用から脱却し、新しいソリューションを開拓することが求められる。そのためには日本の商品を中心とした人的配分も含め運用組織の見直しが欠かせない。

資産運用会社にとってのクラウドとは

資産運用ソリューション企画部 中山 浩之

 第一部では、クラウド・コンピューティングとは何かについて説明があった。「クラウド(雲)」は、「インターネット上のコンピュータリソースを、必要に応じサービスとして利用する」という概念である。その特徴として、①コンピュータリソースの物理的ロケーションは隠蔽されている、②インターネットに接続した多様なデバイスからアクセスが可能、③スケーラビリティが非常に高い、④実際に利用した分だけ料金を支払う、といった点が挙げられる。巨大データセンターや安価かつ高速なブロードバンドネットワークに、サーバ仮想化や運用自動化というテクノロジーの進化が組み合わされ、誕生したものである。
 クラウドの分類の仕方はいろいろあるが、サービスの提供範囲によって分類するとSaaS、PaaS、IaaSの3つに分けられる(図表1参照)。その違いは「どこまでサービスとして提供するか」である。SaaSはハードウェアからアプリケーションまで全て、PaaSはハードからミドルウェアまで、IaaSはハードウェアのみを提供する。また外部のプロバイダーを用いる「パブリック・クラウド」と企業内でクラウドを活用する「プライベート・クラウド」という分類もある。
 次にクラウド・コンピューティングのメリット・デメリットについて触れられた。メリットとしては、①IT資産を所有せず利用料金を支払うだけなので、オフバランス化が可能、②必要な分のITをすぐ調達でき、ビジネス・アジリティが向上、③拡張性・柔軟性に優れ、新規事業などに適している、といった点がある。コストの低さだけでなく、新技術を享受しつつ迅速にビジネスに対応できる。一方、デメリットとしては、一般的にセキュリティやコンプライアンスの問題が指摘されている。現在は、機密性の高いデータの取扱い、規制対象のアプリケーション等には利用が難しい。
 クラウドサービスの導入には、どれがクラウド適用可能なシステムか「システム仕分け」を行うことが必要になる。例えば、コア業務とそれ以外、ミッション・クリティカルかそうでないか、の2軸で整理すると、コアでミッション・クリティカルな業務以外には、クラウドが適用できる。また、クラウドは委託業務であるため、内部統制の仕組みが欠かせない。各種監査をクリアできるかどうかも重要で、こうした点に耐え得るベンダーを選択することが必要である。
 第2部のテーマは「資産運用会社にとってのクラウド化」であった。資産運用会社の業務は個別性が高く、標準化しにくいと考えられる。また異なる部門等で同じような情報を取り扱っており、整合性が必要となる。システムには、外部パッケージやEUCも多く、データ管理やシステム間の連携などで様々な問題を抱える。
 では、クラウドを用いるとどう変わるのか、いくつかの例が示された。運用部門ではデータの収集が大変で、またEUCが多用されメンテナンス不能の状況である。クラウドの利用によりデータが一元管理され、PaaS環境で各人がEUCを構築できるようになる。またミドルオフィスのレポーティングでは、大量に増え続けるデータを拡張性の高いクラウドで管理し、外部業者ともクラウド上で情報連携することが考えられる。マーケティング部門でも、各種資料をパブリック・クラウド上でアーカイブ管理したり、iPadやスマートフォンなど様々なデバイスの活用が可能になる。
 システム部門にとっては、クラウド化の進展は、「選択肢の増加」となるものの、「コントロールの複雑性」につながる可能性がある。このトレードオフを回避するには、適用範囲(部門、社内全体、業態、グローバルなど)のレベルを意識し、それぞれの業務・システム要件を見越したクラウド化が必要となる。

  クラウド・コンピューティングは、利用者が「欲しい物」を「欲しい時」に「欲しいだけ」得られるようにする可能性をもつ。NRIではT-STARを中心にクラウド技術を適用したT-MONOLIXを提供していく。

講演3 顧客や販社とのコミュニケーションを考える-顧客満足度の代替としての投資家リターンの活用

金融itイノベーション研究部 金子

 最初に、投信会社のマーケティング部門が抱える悩みとして、どのようなものがあるか述べられた。① 販社の数が増え、顧客の投資状況把握が困難になり、販社へのサポートレベルにばらつきがある。② ファンド数が増え、効果的な販促のために対象ファンドを絞り込む必要があるが、判断が難しい。③ マーケティング要員が03年度以降急増し、現在も維持されている。このリソースを環境に応じて適切に配置するための判断材料がほしい。④ 年間の運用報酬が4,000万円を超える“黒字ファンド”は現在、全体の1/4に過ぎない。どのように赤字ファンドを減らせばよいのか。⑤ 設定直後にしか資金が集まらないファンドがいまだに多い。公募投信の3/4を占める赤字ファンドは設定翌年には資金流出が始まってしまう。⑥ ここ数年、分配金利回り競争が激しい。分配金利回りが10%を下回ると資金流出が起きる状況である。高分配により顧客の投資元本が取り崩されている場合、顧客満足度に影響するのではないか。
 このような数々の悩みに対処するには、顧客や販売会社に対し、適切なタイミングで適切なコミュニケーションやサポートを行っていくことが重要である。その足がかりとして、「投資家リターン」の把握を提案する。運用会社が投資家リターンを把握することで、販社からの評価・評判や顧客の状況を知ることができ、適切な商品提供やサポートにつながると考える。
 投資家リターンとしてここで定義するのは、「扱い開始以来投資家リターン」、「評価損益率」の2つである。前者は、ファンドを過去に保有し売却した顧客と現在も保有している顧客の総体的な損益、後者は、現在ファンドを保有している顧客の総体的評価損益(受取済み分配金も含む)である。ファンド毎・販社毎にこれらのリターンを捉える必要がある。
  「扱い開始以来投資家リターンは」、販社(販売員)の評判を捉える指標と捉えられる。運用会社単位でこのリターンをみると「商品の運用能力に対する信頼感ランキング」との相関が高く、リターンが高い会社ほど販社からの評価が高くなっている。「扱い開始以来投資家リターン」は以下のように計算され、投信会社がもつデータで算出することが可能である。
 扱い開始以来投資家リターン(%)=  [(累計分配額+累計解約額+純資産残高)/   累計設定額-1]×100 一方、「評価損益率」は、現在の投信保有者の損益状況を捉える指標と考えられ、販社ごとの特徴が現れる。例えばグローバル債券型ファンドでみると、銀行チャネルの方が証券チャネルよりファンド保有者の評価損益率が高い時期が多い(図表2)。両チャネルで販売しているファンドのリスク・リターンはほぼ同じであるのに、この違いが出る主な要因は、保有者の保有期間(購入から売却までの平均期間ではなく、保有者が平均的に何年前に購入したかを示す指標)が異なることである。銀行チャネルの方が平均保有期間が長いため、ファンドのパフォーマンスが良好な時期が長いと銀行チャネルの評価損益率が高くなる。証券チャネルの保有期間は短期だが、それが故にリーマンショック以降に購入した人が多くなり、最近は証券チャネルの評価損益率が改善に向かっている。評価損益率は、口座管理を行わない投信会社が正確に算出することはできないが、推計は可能である。
 これらの投資家リターンは前述の運用会社の悩みへの対処にどのように役立てることができるか。以下のような例が考えられる。常時ファンド毎・販社毎の評価損益等を把握し、エージェントシステムに組み込むことで、販社への支援タイミングを判断する。評価損益率からファンド毎の顧客の損益状況を把握し、効率的に償還するタイミングを把握する(評価損益率がプラスかつ高いファンドから償還を考える、など)。分配金の水準を決めるにあたって、個別元本を評価損益率から換算し、個別元本毎の口数分布を把握して、過度の分配を控えるようにするとともに、顧客や販社への客観的な分配方針説明にも利用する。
 投信会社は個人向け商品のメーカーとして信頼を得るため、顧客の投資成果を自ら把握することに努め、商品やサービス開発に活用すべきである。口座を直接管理していなくても、顧客の投資成果を把握する手段は存在する。投資家リターン活用のためのアクションプランとして、①投資家リターン推計のプロトタイプを作成し利用方法を議論、②定期レポート化して試験利用、③投資家リターンを常時ウォッチするためにシステム化しアラート機能も付与、④親密な販社等からデータを取得し、数値を精緻化して販社ともデータを共有、といったステップが考えられる。
 精緻な数値でなくとも、まずは実現が容易なことから着手することが重要である。

 次に、同日同会場にて開催した「2011年度サービス企画説明会」について報告したい。

 NRI資産運用ソリューション企画部長 小林 睦生が挨拶をしたのち、投信販売ネットワークサービス「FundWeb」のシステム更改、NRIの提案する資産運用のためのクラウドソリューション「T-MONOLIX」について発表を行った。更にその後少人数制のブースに分かれて、NRI商品のデモンストレーションや、グローバル市場レポート等、総計14のコンテンツについてそれぞれ発表を行った。

講演1 新FundWebのご紹介、導入に向けて

資産運用ソリューション企画部 松本 真弥

 利便性と堅牢性の向上を図り、「FundWeb」のシステム更改を来年度より開始する。
 新FundWebの特徴は、①NRIデータセンターでの集中管理により、顧客のシステム管理負荷を軽減。②T-STAR/TXとの連携強化による各種属性データの入力負荷軽減ならびにSTP化の促進。③送受信状態管理や操作証跡管理等の、統制機能の追加、等である。

  移行の方針、移行スケジュール、システム更改後の料金やサービス体系についてもそれぞれ説明を行った。

講演2 資産運用のためのクラウド構想実現イメージ

資産運用サービス事業一部 兼松 敏

 NRIが提供する資産運用サービスを一つに統合し、機能間連携を強化したクラウド・フレームワーク、「T-MONOLIX」を来年度より展開する。
 T-MONOLIXの特徴は、①システム環境のセンター統合管理による、ユーザ運用負荷軽減。②複数のNRIサービスに1度のユーザ認証でアクセス可能になり、操作性が向上。③ディザスターリカバリーの観点としても十分な対策を講じた、堅牢な二元センターでの安定的なシステム運用。④既存のNRI資産運用サービス「T-STARサービス」と親和性の高いPaaS(※1)環境の提供。⑤顧客のニーズに合わせたサービスレベル構成。⑥マスター・データベースの一元化とデータ管理機能の向上。⑦データ加工環境のセンター化によるEUCプロセス管理の実現。⑧システム横断的に使用可能なデータを元に、ディスクローズ帳票の作成まで一連の工程を全てカバーするようなサービスの提供、等である。

講演3 ITオペレーションのグローバルハブとなるアジアの資産運用

NRIアメリカ 金子 泰敏

 運用会社にとって、投資対象としてだけでなく、投資家獲得の観点でもアジア地域の重要性が増している。欧米の運用会社は、国ごとに制度や慣習の異なるアジア市場への参入方法として、外国籍投信の活用・併用と同時に、ファンドサービサーの活用を進めた。
 欧米ファンドサービサーのITオペレーションハブのアジア移行に伴い、香港、シンガポールはハブ拠点としての重要性が高まっている。
 アジア市場の成長とともに、サービサーの事業環境も整いつつあり、サービスプラットフォームへの投資も積極化している。今後、全アジア地域業務を委託できるサービサーの登場と、その活用が期待される。

講演4 業務アウトソースを活用したコーポレートアクション対応の合理化

NRIアメリカ 三上 直美

 グローバルにITオペレーションを展開する運用会社では、業務の効率化・変動費化を進めるためのオプションの一つとして業務アウトソースに注目している。
 欧米ではバックオフィス業務の多くが既にアウトソースされており、現在は、ミドルオフィス業務にフォーカスがシフトしている。中でも特に、業務リスクが高いコーポレートアクション業務は注目度が高い。米運用会社がコーポレートアクション業務を外部のサービサーに委託した事例は、世界的にも先進的な事例として報告されている。
 今後、運用会社のアウトソースの注目度は更に増していくと考えられるが、導入にはいくつかの問題もある。特定の業務機能に限定した部分型アウトソースは、導入しやすいが、実際どの機能を切り出すかの判断は容易ではない。

講演5 「 iPad」の特長と金融機関の営業・マーケティング部門での活用例

資産運用ソリューション企画部 小川 宣雄

 Apple社の「iPad」の登場はノートパソコンとは異なる、新たなプレゼンテーションの「体験」を提供可能にした。iPadを初めとしたタブレットPCの優位性には①実機体験でのコミュニケーション機会の創出。②急な情報要求にも反応できるリアルタイム性。③軽量なアーカイブとしての用途、などがある。

  その優位性は、金融機関の営業・マーケティングにおいても活用の価値がある。だが、新たなデバイスであるiPadには、新しい開発環境や、運用面でのセキュリティ確保など、解決すべき課題も多い。
 NRIは、iPadのそうした課題解決のためのソリューションをも内包した、トータルサービスを企画中である。

講演6 IT統制ー外部サービスのコントロール

ERMプロジェクト部 能勢 幸嗣
資産運用サービス事業一部 上河 紀世志

 金融庁検査におけるシステムリスク管理態勢のチェックポイントの一つとして、外部委託先管理が大きく取り上げられるようになってきた。
 システム運営の外部委託や共同化の進展に伴い、外部委託先管理についても、経営陣・管理職によるPDCAサイクルの有効性について、インハウスと同等の水準が求められる。外部委託の受託者であるASPベンダーがSLAを定義することで、委託者側の検討負荷を抑え、予め報告内容を規定することでPDCAサイクルを有効に回すことができるようになる。

  NRIでは各種ガイドラインとの整合性・網羅性を確認しつつ、サービスレベルの合意を文書化し、それに対する複数種類の報告を実施する方向で、T-STARのSLAの検討を開始した。定期的な報告と定期的な見直しを軸に、投信会社バックオフィスシステムサービス「T-STAR/TX」から順次、対象を拡大していく予定である。

講演7 グローバルバックオフィスシステムーT-STAR/GV

資産運用サービス事業二部 垣地 良憲

 グローバル展開する資産運用会社においては、①取引の情報を拠点間でリアルタイムに連携し、どの拠点の運用部門も常に直近の残高を活用できる業務インフラストラクチャ、②バックオフィス業務をグローバル全体の視点から効率化し、海外拠点業務の継続的モニタリングによるオペレーショナルリスクの抑制、が必要である。上記ニーズに対応したサービスが、シングルデータベースで24時間ノンストップで稼働するポートフォリオ管理システム「T-STAR/GV」である。
 リアルタイムのSTPを実現する機能群を備えたT-STAR/GVを用いることで、海外を含む複数拠点で運用を行う企業において①情報鮮度の向上。②データ管理のグローバル一元化による、重複業務の排除などのビジネスプロセスの効率化。③標準業務の導入による、拠点業務の可視化と業務品質の安定化。④システムの最適化とTCO削減、などが実現出来る。
 日本の運用会社がグローバル展開を安定的に進める為に、NRIは金融システム分野で蓄積してきたノウハウを生かし、グローバル視点から最適なバックオフィス業務の構築を、トータルに支援していく。

講演8 SmartBridge Advance

資産運用サービス事業一部 末本 朋子

  「SmartBridge Advance」は機関投資家向けの、OMS、フロントポジション資金管理、ポストトレード自動化機能を統合したプラットフォームシステムである。当日初のポジションから、案件ベース・トレードベース・約定ベースなど複数ベースでのポジション・資金残高を計算・参照することが可能だ。フロントからバックに至るまでの業務プロセスを結びつけ、外部委託先からの約定データの取り込みもサポートする。

講演9 T-STAR基準価額の精度向上&妥当性確認ソリューション

資産運用サービス事業一部 岡崎 靖子

  「時価クレンジング支援サービス」は、複数ソースから取得した時価データを比較することにより、精度の高い時価の選定を可能にする。
  「T-STAR/NV」は、基準価額の正当性を確認する100種類以上の網羅的なチェックを各締処理にて自動実行し、結果を一覧表示する。この2つのサービスを使用することで、基準価額の算出精度を向上させ、妥当性の確認を効率的に実施することが出来る。

講演10 T-STAR ReportAssistソリューションー有報XBRL化や今後の展望

資産運用サービス事業一部 地搗 千景

  「ReportAssistソリューション」は、各種ディスクローズ用レポートの作成を簡素化・標準化するソリューションである。①運用実績ページ作成機能。②レポート作成のスケジュール管理機能。③作成したレポート版の履歴管理機能。④デザイン性の高い原稿の修正機能などを備えている。

  今後、ReportAssistソリューションでは、現在稼働中の交付目論見書作成機能に加え、来年度より運用報告書・有価証券報告書のXBRL化などへの対応を順次進め、レポートデータの一元管理を実現し、レポート作成業務をトータルにサポートしていく。

講演11 T-STAR 外国証券属性管理サービス

資産運用ソリューション企画部 馬場 崇充

  「外国証券属性管理サービス」では、T-STAR各システムへの銘柄属性入力一元化や、情報ベンダーとのデータ自動接続を行い、管理負荷を大幅に軽減する。

  昨今、ファンドへの組入商品の多様化・多国籍化に伴い、各システムへの外国証券の属性入力やメンテナンス作業などによる業務負荷が増加している。外国証券属性管理サービスは、情報ベンダーからの銘柄属性データ接続により、手入力によるオペレーションミスを排除し、T-STAR各システムの属性を統一することで、アウトプットの精度向上に貢献する。

講演12 T-STAR/RX GIPS 2010年改訂の準拠と投信ファンドの年金基準評価への取り組み

資産運用サービス事業一部 船木 麻衣

 今年度リリースされた投資顧問業務のバックオフィスシステム「T-STAR/RX」は、NRIデータセンターの堅牢な基盤上で運営され、統制機能や外部連携機能を大幅に強化した。GIPS2010年改訂に準拠した、日々の資産評価とコンポジット・リターンの算出機能を実装し、照合や遡及計算の機能も強化されている。
 また増大する年金資金への私募投信ファンドの組み入れに伴い、T-STAR/RXではT-STAR/TXより投信ファンドのデータを接続し、年金基準にて評価計算を行う機能も備えている。

講演13 投信文書管理機能ーFundWeb DD

投資情報サービス事業部 加藤 大輝

 投信関連の文書管理には、関連文書多様化(目論見書、運用報告書、販売用資料、ディスクロ資料、等)や販売会社の増加による文書管理業務の負荷増大、印刷部数増加に伴う大量廃棄、販売会社における交付事故リスクなど多くのリスクが存在している。
 投信文書管理サービス「FundWeb DD」では、上記課題を取り除き、①運用会社と販売会社間の、投信文書管理ネットワークの提供。②ディスクロ等を販売会社に配信するFundWeb情報掲示板と、目論見書を電子交付するDelisureの統合。③電子文書だけでなく、印刷物の販売会社からの注文受付、送付先登録、印刷会社への発注機能の提供、等の機能を実現する。

講演14 資産運用サービス共同ホスティングプラットフォームーT-STAR/GXの新・ホスティングサービス

資産運用ソリューション企画部 我妻 太郎

 資産運用クラウド構想「T-MONOLIX」の実現に向け、IaaS(※2)として「資産運用サービス共同ホスティングプラットフォーム」の提供、並びに当該IaaSを活用した「T-STAR/GXの新・ホスティングサービス」の提供を予定している。これは仮想化技術を採用し、効率的かつ迅速な環境構築を実現し、運用サービスの強化を目指すものである。
 このサービスにより①セキュリティ要件を満たす環境でデータを一元的に管理、シームレスに活用できる。②災害対策としてのDRサイト環境の確保。③サーバの調達・構築作業の標準化を行い、環境構築スピードを高めてご提供するため、利用したい時に迅速に利用可能、など様々なメリットが享受できる。

 NRIでは今後も、資産運用会社の皆様に役立つようなセミナーを継続的に開催したいと考えております。

※組織名、職名は掲載当時のものです。

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