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世界経済、最後の審判-破綻にどう備えるか

  • 木内 登英 [著]
  • 毎日新聞出版 発行
  • 2019年3月7日
  • 定価:本体2,000円+税
  • 四六判・256ページ
  • ISBN [978-4-620-32572-9]
  • ソフトカバー

次のリーマン・ショックはいつ、どこで、どのように起こるのか。
元日銀政策審議委員としてアベノミクスに反対票を投じつづけた著者が、世界経済の行く末を占う。

主要目次

第1章 リーマン・ショックの傷跡
1 リーマン・ショックとは何だったのか
2 低下する世界経済の潜在力
3 ポピュリズムと金融危機の深い関係

第2章 危険は何度も現れる
1 過度な楽観論の再燃
2 債券市場こそバブルの震源地
3 なお残る銀行のドル調達問題
4 債務残高の増加と不確実な金融規制の効果
5 日本の銀行は脆弱化が進む
6 銀行はフィンテックで苦境に
7 次の金融危機は世界同時型

第3章 危機の引き金は何か
1 貿易戦争が経済・金融危機を引き起こす
2 米国によみがえる双子の赤字問題
3 異次元緩和とポピュリズム
4 デフレとの闘いは誤り
5 グローバルな財政拡張リスク

第4章 ポピュリズムと格差
1 リーマン・ショック後の所得格差
2 グローバルな労働分配率の変化
3 日本の労働分配率は低下傾向にない
4 欧州におけるポピュリズムの台頭

第5章 危機後の世界
1 政策対応の余地は限られる
2 日本銀行ETF買入れ策の出口戦略
3 危機後さらに強まる保護貿易主義
4 米中の争いと新たな国際秩序の模索
5 日本の対応を考える

著者からのメッセージ

「金融危機は常に違う顔で現れる」と言われます。遠い過去から、深刻な金融危機が何度も繰り返されてきたのは、人類が過去の失敗の経験に学ぶ学習能力を欠いていたからではありません。一つとして同じ金融危機はなく、過去の経験を十分に生かすことができないためです。

しかし、比較的周期的に起きる現代の金融危機には、危機への過剰な政策対応が次の危機を引き起こしてしまう、といった共通の傾向も見られます。10年ほど前に起こったリーマン・ショックの後に、各国では異例の金融緩和策がとられました。これは金融市場に大きな歪みをもたらし、また金融機関の収益環境を悪化させること等を通じて、次の金融危機の原因となる可能性があります。最も大きな歪みが蓄積されているのは、各国間での連動性が高い債券市場です。この点から、ひとたび金融危機が生じれば、それは一国にとどまらず、一気に世界中へと拡散しやすいでしょう。つまり、次の金融危機は世界同時型になりやすいのだと思います。

金融市場に蓄積された歪みを一気に解消させ、金融危機をもたらすきっかけとなるのは、ポピュリズムに支えられた誤った財政・金融政策です。

金融危機を引き起こすメカニズムや、過去と比較した場合の特性などを十分に理解し、適切に対応していけば、深刻な金融危機を回避することは可能でしょう。あるいは、金融危機が生じてしまった場合にも、より迅速に有効な対応策がとられやすくなります。こうした考えが、本書執筆の大きな動機となっています。

Writer’s Profile

木内登英Takahide Kiuchi

金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
専門:内外経済・金融

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