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トランプ貿易戦争 日本を揺るがす米中衝突

  • 木内 登英 [著]
  • 日本経済新聞出版社 発行
  • 2018年10月09日
  • 定価:本体1,800円+税
  • 四六判・272ページ
  • ISBN [978-4-532-35793-1]
  • ソフトカバー

米中の関税引き上げの応酬は、序章にすぎない。迫る景気後退、中国の金融バブル崩壊、超円高など、日本経済を襲う最悪のシナリオに備えよ。

主要目次

第1章 米中貿易戦争の勃発
1 強まるトランプ政権の保護貿易主義
2 孤立感を強めるトランプ政権
3 米中貿易戦争への道
4 本格化する米中貿易戦争

第2章 戦後自由貿易体制と米国の貿易政策
1 戦後自由貿易体制の変容
2 米貿易政策での大統領権限
3 トランプの貿易政策を支える基本思想はナバロ理論
4 米国WTO離脱の可能性

第3章 終わりのない覇権争い
1 米国が恐れる「中国製造2025」とは何か?
2 先端産業をめぐる米中の熾烈な争い
3 世界が批判する中国の知的財産権侵害
4 米国の中国投資規制の動き
5 米中の軍事をめぐる覇権争い
6 中国が市場開放を進める

第4章 日米FTAと貿易摩擦の長い歴史
1 避けがたい日米FTA交渉
2 米韓FTA再交渉が前例に
3 TPPと日米FTA交渉の展望
4 米中貿易戦争に強い既視感:日米貿易摩擦の長い歴史

第5章 貿易戦争と表裏一体のグローバル金融危機
1 中国が抱える金融リスクの衝撃
2 貿易戦争が中国企業に与える影響
3 中国金融危機の引き金に
4 中国は米金融資産を売却するか
5 警鐘を鳴らす金融市場

第6章 米中貿易戦争は日本経済に甚大な打撃
1 貿易戦争の影響を増幅するグローバル・バリューチェーン
2 日本企業の海外進出とグローバル・バリューチェーン
3 日本企業の中国進出:際立つ自動車の存在感
4 米中貿易戦争の世界経済・日本経済への影響
5 米国は再び円高カードを切ってくるか

著者からのメッセージ

激化する米中貿易戦争の本質は、経済、先端産業、そして軍事力の3点を巡る2国間の覇権争いで、単純な貿易不均衡の問題ではありません。両国とも容易には譲歩することができず、事態の長期化は避けられません。これによって日本の輸出環境はこの先長期にわたり、厳しい状態に置かれることを覚悟する必要があるでしょう。

米中貿易戦争は、日本人にとっては強い既視感もあります。1950年代から始まる日米貿易摩擦では、日本の自動車、半導体、スーパーコンピュータなど、当時の先端産業が次々と標的とされました。今後の日米貿易交渉でも、対米自動車輸出の削減を再び強く迫られる可能性があります。また交渉過程では、円高進行のリスクも無視できません。

かなり乱暴な米国の保護貿易政策は、トランプ大統領の強い個性の産物だけでなく、米国の国家戦略として過去から脈々と引き継がれてきたものがそのベースにあります。この点から、トランプ大統領という嵐が過ぎ去るのをじっと待つ、ということでは問題解決になりません。

日本政府、企業には、貿易戦争という逆風をむしろばねにして、内需主導型への経済の転換を進めていくことが期待されます。構造改革を通じて生産性上昇率、潜在成長率など

経済の潜在力を高め、輸出環境に依存しない体質を作り上げていくことが求められるのです。その際、金融緩和に偏った内需拡大策がバブル形成と崩壊、その後の経済の長期低迷へとつながった80年代以降の失敗を繰り返さないことも重要な点です。

Writer’s Profile

木内登英Takahide Kiuchi

金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
専門:内外経済・金融

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