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ビットコイン投資に乗り出すヘッジファンドと市場の変調

2017年12月25日

ビットコイン市場に参入するヘッジファンドは増加

価格急騰基調が続くなか、ビットコインに投資をすべきか?あるいは顧客のためにビットコインにマーケットメイクを行うべきか?各機関の対応には開きがある。そうしたなかでも、ビットコインに投資するヘッジファンドは増加傾向を辿っている。

データ調査会社のHFRによれば、ビットコインのみに投資する、あるいは大半の資金をビットコインに投資するヘッジファンドの数は、2015年に3社、2016年に8社であったが、2017年には11月までで23社へと急増した。その資産総額は20億ドル程度であることから、比較的小規模なヘッジファンドが中心であることが伺われる。ただし同社によれば、2018年の1-3月期に、その数は一気に2倍に増える見通しであるという。さらに5億ドル以上のより規模の大きいファンドの設立が増えていく見通しである。

個人投資家に機関投資家が続く異例のパターン

また、先般の大手取引所での先物取引開始を受けて、大手ヘッジファンドの一部も、ビットコイン市場への参加を検討しているという。例えば、英大手ヘッジファンドのマングループは、CMEでの先物取引が始まれば、投資対象にビットコインを加える考えを、従来から示している。

新しい金融商品については、大手金融機関、機関投資家が先行して投資を拡大させ、価格を押し上げる。遅れて個人投資家が投資を始めた際には価格は既に割高となっており、価格の大幅調整で個人投資家が大きな損失を被る、というのが一般的な傾向なのではないか。しかしビットコインについては、これとは逆のパターンとなるのかもしれない。

足もとでビットコインは大幅下落

ところで、仮想通貨ビットコインの12月22日の下落率は、一時約30%にも達した。これで4日連続での大幅下落となった。大手取引所で先物取引が始まったばかりであり、ここに大手投資家が加われば、先物市場でのビットコインの大量の売りで、価格調整を加速させる可能性もあるだろう。結果的に先物取引の開始は、価格調整の環境を整えてしまったことにもなるのかもしれない。

足もとでの大幅価格下落が、果たして今まで急騰を続けてきたビットコイン相場の転換点を示すものかどうかについては、依然として分からない。しかし、何ら材料がない中で高騰と大幅下落を繰り返すビットコイン市場は、通常の金融資産とは異質なものであることを改めて認識させる動きではあろう。こうした点を十分に理解した上で、ヘッジファンドなど大手投資家がこの市場に参入してくるのであれば、今後のビットコイン市場の動きは従来とは大きく異なるものになるのかもしれない。

Writer’s Profile

木内登英Takahide Kiuchi

金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
専門:内外経済・金融

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